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レバノン 混迷のモザイク国家 の商品レビュー

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2019/11/06

【誰にもわからないということは,誰もが知っているということでもある】(文中より引用) 様々な宗教が入り混じり、まさに「モザイク」と呼ぶに相応しい国、レバノン。複雑さ故に読み解きづらい近年のレバノン政治情勢を、ラフィーク・ハリーリー元首相の暗殺事件を鍵として解説した作品です。著者...

【誰にもわからないということは,誰もが知っているということでもある】(文中より引用) 様々な宗教が入り混じり、まさに「モザイク」と呼ぶに相応しい国、レバノン。複雑さ故に読み解きづらい近年のレバノン政治情勢を、ラフィーク・ハリーリー元首相の暗殺事件を鍵として解説した作品です。著者は、『シリア内戦』等の著作でも知られる安武塔馬。 いくつかの中東に関する作品を読んだ上で本作に取りかかると、より一層興味深さが増すのではないかと思います。見慣れないカタカナの名前に取っつきづらさを覚えるかもしれませんが、日本であまり数が多くないレバノン関係の書籍として高く評価したい一冊です。 ベイルートを訪れたのも懐かしい☆5つ

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2013/10/16

レバノンに拘る事は、何が理由なのか。 生活が存在する処には、拘りがある。 それが生活というトートロジー。

Posted byブクログ

2012/01/13

(2011.09.06読了)(2011.08.23借入) 【アラブの春・その④】 かつて、各通信社の中東における拠点は、大部分ベイルートにおかれていました。 1975年のレバノン内戦勃発以来、混迷を続けるレバノンは、拠点としては使えなくなっています。 この本は、2005年2月から...

(2011.09.06読了)(2011.08.23借入) 【アラブの春・その④】 かつて、各通信社の中東における拠点は、大部分ベイルートにおかれていました。 1975年のレバノン内戦勃発以来、混迷を続けるレバノンは、拠点としては使えなくなっています。 この本は、2005年2月から2011年1月までのレバノンの混迷ぶりを述べているのですが、題名通り、理解困難です。 キリスト教各派、イスラム教各派の勢力が入り乱れている政治状況は、全く動きが取れない状況で、シリア、イスラエル、フランス、アメリカなどの思惑も絡んで、複雑怪奇です。 全くどうしたらいいのか、どうなっていくのか? 北の隣国トルコが乗り出してきたらどうにかなるのでしょうか? 「複雑怪奇な最近のレバノン情勢を、なるべくわかりやすく解説するのが本書の目的である」(5頁) 本の構成は以下の通りです。 第1部、ハリーリ元首相暗殺事件 第2部、国際捜査とレバノン情勢の展開 第3部、中東情勢急変とレバノン ●中東の金融センターだった(3頁) 1970年代までは多くの日本企業が進出した。当時レバノンは周辺諸国よりも金融・サービス業が発展し、インフラも整っていたからだ。しかし1975年から90年まで続いた長い内戦で、国土は荒廃した。この間ドバイを筆頭に、中東では他のビジネス金融センターが発展した。内戦後のレバノンに戻る日本企業はほとんどない。 ●権力配分システム(44頁) レバノン社会の中核となり政治的な影響力を行使しているのは、スンニ派、シーア派、そしてマロン派を中心としたキリスト教各派の3つである。 建国以来、レバノンではこの3派に配慮した権力配分システムが存在する。国家の三首脳ポストも、不文律により、大統領がキリスト教徒のマロン派、国会議長はシーア派、首相はスンニ派に割り当てられる。 ●イスラエルとレバノン(121頁) イスラエルは1978年の「リタニ川作戦」以来、1982年の「ガリラヤ平和作戦」、1993年の「制裁作戦」、1996年の「怒りの葡萄作戦」と、4度レバノンに対する大規模な軍事行動を起こしている。最初の二回はPLOを標的とした作戦で、地上侵攻を伴った。1990年代の二つの作戦はヒズボッラーをターゲットにしたものであり、基本的には空襲に限定した作戦である。2006年7月の戦争は、ヒズボッラーに対する三回目の攻撃であり、初めて地上戦の侵攻を伴う大規模な作戦だった。 ☆関連図書(既読) 「パレスチナ―瓦礫の中のこどもたち」広河隆一著、徳間文庫、2001-02 (2011年9月14日・記)

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