アイドルワイルド! の商品レビュー
序盤のかっこ良い冷徹さと鋭利さは徐々に消え去り、いつの間にか退屈なだけの物語になっていた。人の愛を知って大人へ成長したとかそんな甘っちょろい設定でもなかろうに。 最初は何だこいつ?!ってくらい神々しいキャラだったのに、最後のほうでは自分が可愛いだけの男の子に成り下がってしまった。...
序盤のかっこ良い冷徹さと鋭利さは徐々に消え去り、いつの間にか退屈なだけの物語になっていた。人の愛を知って大人へ成長したとかそんな甘っちょろい設定でもなかろうに。 最初は何だこいつ?!ってくらい神々しいキャラだったのに、最後のほうでは自分が可愛いだけの男の子に成り下がってしまった。好きになれなくても理解できなくても、最初のキャラのままにジョーが行動できていたら、もしかしたら「俺たちに明日はない」みたいな傑作になっていたかもしれない。 なんせよくわからない設定が多い。耀子はジョーと似すぎていてキャラが立っていないし、忠彦の何がジョーと共鳴したのかわからないし、一番不思議だったのはいきなり出てきた珠美って誰なんだ?ってことだった。 「この男は神か悪魔か」と謳った宣伝文句だったが、その答えは、「(沖縄という)井の中の蛙」だったということだ。
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後ろに進むにつれ、暴力性がなくなり、よく言えば、開眼するというか、救わる主人公なわけなのですが、読者としては肩透かしというか、なんか物足りなく感じてしまうのでありました。早く殺せよ、みたいな。なかなか読者心理とは複雑なものですな。
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超越した美しい顔を持つ主人公「ジョー」。 その美しさで男女問わずに関わる人間を虜にする一方、 死神にように関わる人間も軒並み死んでいく。 ジョー自身が手を下した殺人も数知れずなのに 捕まる事なく、沖縄の青黒い空の下で暮らす...。 そんなジョーとインテリ女性「耀子」との 性と生と...
超越した美しい顔を持つ主人公「ジョー」。 その美しさで男女問わずに関わる人間を虜にする一方、 死神にように関わる人間も軒並み死んでいく。 ジョー自身が手を下した殺人も数知れずなのに 捕まる事なく、沖縄の青黒い空の下で暮らす...。 そんなジョーとインテリ女性「耀子」との 性と生と、そして破滅的なロードノベル。 当然ながらセックスと暴力とクスリと車と バイクと、小説と...生と死がいつものように 展開されるゆえ、既読作? かと思うくらいに いつもの萬月作品。それ以上でも以下でも ないような気がします。 氏のロードノベルでいうと「風転」と 比べてしまうとやはりラストの失速感や 主人公への感情移入など...小振り感は 否めなかった...ス
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漫画みたいな自由気ままに生きてるワイルド版。 男の願望の暴力と女とやりたい事がつまった小説。読んでココロには残らないが、やれやれって感じ(-。-;
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
花村さん初期の主人公たちのエグさを受け継ぎ益々磨きをかけたような伊禮ジョーの振る舞いの数々。初めて手にした方々の多くは拒絶反応を起こして本を閉じるんじゃないかなどと考えてしまうことが余計なお世話だとわかっていてもそう感じざるを得ないウルトラスーパーエキストラな過激さだ。そんなジョーも後半違った顔をみせるところで、いろいろと考えさせるのが作者の意図なのかもしれない。一度肩透かしをくったけれど終わり方やはりという印象。
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