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新人間主義の哲学 疎外の克服は可能か の商品レビュー

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2019/04/13

哲学における疎外論の系譜を簡単に解説し、現代社会における人間疎外を克服するための方法について論じている本です。 ヘーゲル、マルクスの疎外についての議論を中心に、フォイエルバッハ、ルカーチ、フロムらの議論についても、ごく簡単に紹介されています。 著者は、初期マルクスの疎外論は『...

哲学における疎外論の系譜を簡単に解説し、現代社会における人間疎外を克服するための方法について論じている本です。 ヘーゲル、マルクスの疎外についての議論を中心に、フォイエルバッハ、ルカーチ、フロムらの議論についても、ごく簡単に紹介されています。 著者は、初期マルクスの疎外論は『経済学批判』などの思想では超克されているとする、アルチュセールや廣松渉の解釈を批判し、人間主義を洗練させることで、マルクスの思想の現代的な可能性に光をあてようとしています。ただ、こうしたマルクス解釈の妥当性については十分に論じられておらず、著者の主張の根拠については本書を読んだだけでは明瞭には見えてこないように思います。また、現代社会における人間疎外の状況についての議論も、いまとなっては有効性をうしなってしまっているようにも感じられます。

Posted byブクログ