日本はエネルギー大国だ の商品レビュー
今年(2011)3月に起きた震災後は、原子力発電に対する不安が高まり、将来のエネルギーは原子力以外も考える必要があると多くの人が認識していると信じています。 そこで具体的には何があるというと、自然エネルギーとしては風力、地熱、太陽光発電があると知っていましたが、この本を読んで、...
今年(2011)3月に起きた震災後は、原子力発電に対する不安が高まり、将来のエネルギーは原子力以外も考える必要があると多くの人が認識していると信じています。 そこで具体的には何があるというと、自然エネルギーとしては風力、地熱、太陽光発電があると知っていましたが、この本を読んで、それ以外に「海流発電」という存在を知りました。 海に囲まれて海流(黒潮)に恵まれている日本に適した発電方法のようです。この本で紹介されている海流発電に取り組んでいる鈴木氏は以前は船乗りで海のことはよくご存知のようです。 是非とも将来のエネルギー源として事業化を成功させて、また政府もそれに理解を示して援助をして欲しいですね。 以下は気になったポイントです。 ・海流発電装置(800基:3200億円)と送電ケーブル等の付帯設備をあわせて5000億円とすると、柏崎刈羽原発の建設費(8000億円)よりも安くなる(p17) ・船上で最も忙しくしているのは一等航海士、最終的な判断と責任は船長が担うが、そのための情報収集、現場での陣頭指揮は一等航海士の仕事なので(p45) ・黒潮は、東シナ海を北上して日本の南岸に沿って流れ、房総半島沖を過ぎる暖流、他の海の色と比較して黒く映るので「黒潮」と呼ばれる(p66) ・海流発電の仕組みは、海流・潮流の力でタービンを回し、発生したトルク(回転軸にかかる力)を完全無漏油ポンプで圧力変換して、油圧モータにより発電機を回転させて電力を得る(p70) ・本体の前方から加速してくる水流をプロペラで受け止める抗力と、併せて揚力の両方が働くことによって弱い流れでも回転を始められるのが特徴(p75) ・東日本大震災で茨城県鹿島臨海工業地帯は5メートルの津波が襲ったが、護岸から50メートル離れた沖合の洋上風力発電装置はほとんど無傷(p84) ・1970~2007年(有価証券報告書から実際に実際に使った費用で計算)における原子力発電コスト(併設の揚水発電コストも一体)は1キロワット時で12.3円で、火力(9.9)や水力(4.0)である(p103) ・海流は気候が変化しても海中の流れは安定していて稼働率は60%は維持できる、風力は20%程度、太陽光発電は10%程度(p117) ・新エネルギー法によれば、2002年法改正(バイオマス、雪氷冷熱追加)においても、海洋エネルギーは追加されなかった(p125) ・平成22年度において、「地球温暖化対策技術開発等事業」において潮海流発電装置の実証事業が認められた(p174) 2011年11月13日
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