老後の生活破綻 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
最近、父親に次いで母親を喪い、実家に行く機会が増えたことで、団地内の高齢化現象を身近に目の当たりにする。80歳で旦那を亡くし、一人娘は独身で遠く離れた場所で生活しているため一人暮らしのおばさんや、80越えでほぼ寝たきりの父親と家事を一切しない母親のもと、仕事も結婚も捨てて父親の看病で毎日を消化する60手前の長女さん、そうかと思えば次男さんが会社を興して成功したおかげで悠々自適の生活を送る高齢夫妻、しかし離婚し育児費と家賃を元嫁に振り込みながらその両親の下で生活を送る長男など、団地内はすでに60前後が最年少で平均年齢70前後となっており、高高齢社会はもうすでに来ているのを実感する。 この書が書かれたのは2011年。年金受給者の平均受給額が月15万円と今では破格の支給であったにも関わらず生活破綻しているが、日本政府はなんの問題解決することなく2023年現在、年金受給額は平均7万、物価高、医療費は二割負担が目前で、介護施設などいつ空きが出るかもわからない状況でもう老人みんな死ねよっていう世界。この手の本が世に出回っているにも関わらずなんの改善も前進も見られない。となると単なる愚痴書なのである。いまだこの書に挙げられている解決策についてどれだけ認知度があるかなど調べるまでもなく皆無に等しい。危機感は募るが憤懣遣る方無しといったところである。また、読んだ分だけ知識にはなるが、実際自分の身の上に降りかかったときに動けるかは微妙である。
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老後には色々なリスクがあり、それを支援する色々なサービスがあるが、一人一人に寄り添う人がいないとそのサービスを受けることも気がつかないことが起こる。高齢者には、ちょっとしたことで生活破綻に陥る罠があるのだと思うと恐ろしい。
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若い頃はなんでもなかったことでも、歳を取るごとに出来なくなる ことが増えていく。人は年々、身体能力や記憶力が減退して行く。 外出するのが億劫になったり、物忘れが頻繁に起こったり、知人・ 友人の訃報も増えてて知り合いの数も減少して行く。 そして、予期せぬ出来事がきっかけとなって...
若い頃はなんでもなかったことでも、歳を取るごとに出来なくなる ことが増えていく。人は年々、身体能力や記憶力が減退して行く。 外出するのが億劫になったり、物忘れが頻繁に起こったり、知人・ 友人の訃報も増えてて知り合いの数も減少して行く。 そして、予期せぬ出来事がきっかけとなって生活が追い詰められて 行く場合もある。本書では高齢者がどんなリスクを抱えているのか。 生活が破綻を来す前にどんな公的支援が受けられるのかを詳しく 紹介している。 老後の蓄えが充分にあったとしても、金銭管理が出来なくなったり、 昨今急増している振り込み詐欺や高齢者を狙った高額商品の 訪問販売に引っかかったり。 また、子供の失業や離婚で高齢になった親に経済的な依存を している場合や、親族からの金銭搾取によって正常な生活が 送れなくなった高齢者の具体例は、他人事ではない。 思いがけない事故や病気による入院でも経済的な危機に見舞われ るし、生活が困窮し始めると持病があっても治療を中断してしまい、 あわや…ということもある。 本書では大阪府の例を挙げて、社会福祉事業関連の各種サービス がどのように活かされるのかを解説している。ただ、支援を必要と している人に必要な情報が届かないとどんなサービスがあっても 機能しないんだよね。 最近、高齢者の金銭管理を任されていた人が実は預かったお金を 使い込んでいた…なんてニュースもあった。高齢者が入所する 施設での虐待の報道も絶えない。 超少子高齢化社会を迎える日本。介護保険サービス等もあるけれど、 福祉自体がいつ破綻するかも分からない。 そう考えると、なんだかぞっとする。近い将来、生活に困った 高齢者が溢れる国になるんじゃないいのか。
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両親の高齢・要介護状態に接して、少しでも知識を得ようと手にした本であるが、挙げられた具体例のすさまじさに驚きを隠せなかった。決して他人ごとではないし、きっと個々で違うケースがいくつもあるのだろう。八尾市のような取り組みを地元でも期待したいが難しいようだ。
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良い意味で新書らしい新書。高齢者社会福祉、ソーシャルワークの入門書。途中、言葉が浮いていて心配になったが、大阪の社会貢献事業と八尾市の包括支援センターの取り組みが最後に紹介されて素晴らしい本に仕上がっていると感じた。
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自分が老いたときにどのようなリスクがあるかを把握する為によんだが、経験しないとわからないリスクが数多くあった。今回の事例を参考に家族内で先手の対策を実施していきたい。
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