天の光はすべて星 の商品レビュー
1990年代の終り。宇宙への探索ロケットは原子力エンジンとなり、非常に簡単になった反面、宇宙探検は特にお金にもならないため、反発を呼んでいた。宇宙飛行士を志したが、事故で片足を失ったマックスは57歳。金星、火星に続く木星探査のための有人ロケットを作ることを夢見て過ごすある日、木星...
1990年代の終り。宇宙への探索ロケットは原子力エンジンとなり、非常に簡単になった反面、宇宙探検は特にお金にもならないため、反発を呼んでいた。宇宙飛行士を志したが、事故で片足を失ったマックスは57歳。金星、火星に続く木星探査のための有人ロケットを作ることを夢見て過ごすある日、木星への有人ロケットを推進する下院議員エレンと出会う。マックスとエレンは木星ロケット計画を押し通すために奮闘するのだが…。 とっととロケットが出来て木星に飛び立つと思って読み始めたら、結構泥臭い政治の話が続き、そのためにロケット技術者としてのキャリアを積んだり、議会に掛け合ったりという話が続く。最終的にもそうなんだけど。 生涯孤独を誓っていたマックスとエレンがどんどん親密になっていくも、年齢的な障害によってにっちもさっちも行かなくなっていくのは、泥臭いというよりも物悲しい。また、マックスの大活躍があるはずだったが…という、解説には「シリアス」と書かれていたが、シンプルに悲劇という展開になってゆく。 いつものブラウンの奇想天外でハチャメチャな作風とは異なり、人間ドラマのようなものを描き、若い頃の思い出に思いを馳せる。 1950年代に書かれた作品だけあり、大陸間をロケットで移動したり、通信手段やコンピューターがなかったりと、摩訶不思議な架空の未来予想図が描かれるが、そのあたりも比較的地味というかシンプルと言うか、派手さはない作品だ。 まあ、ロケットと宇宙(星屑、屑はダブルミーニング?)というあたりはブラウンらしいのかな。 最近短編集が単行本で出たらしい。文庫で欲しいなあ。
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哀愁漂うシリアスな名作 表紙 6点W・等 展開 6点1953年著作 文章 8点 内容 745点 合計 765点
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http://blog.goo.ne.jp/shirokuma_2007/e/ffc91c9128611a39feb37f5cb5c6383e
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