place の商品レビュー

木原音瀬【著】

2011/09/02

まさに作家買いの１冊。
社内恋愛リーマンもので、攻の背中に天使の羽つきなのにファンタジー成分ゼロという、不思議な設定です。
他の作家ｻﾝだったら、あらすじ見てスルーしてました。

天使と人間のハーフ！で温和な性格の横山は、仕事で組むことになった後輩に悩まされています。後輩の加賀は見た目もよく、真面目で仕事もできるのですが、とても性格がきつくて頑固者。自分の意見が正しいと思ったら、上司でも得意先にでも歯に衣着せず食ってかかってしまい、尻拭いはいつも横山の役目になってしまっているからです。
しかし、加賀は性格には非常に難がありますが、根は純情。ゲイであることを気にしているので過去誰とも付き合った経験もない童貞で、好きになった横山にはうらはらな態度しかとれません。
彼の本心を知ってしまった横山も、誰とも付き合ったことはない男です。彼の場合は背中の羽が理由なので、男の加賀と付き合うことには逡巡するのですが、その羽がきっかけで二人の関係がだんだん変化していきます。

スローテンポで丁寧に心理描写されていて、とても読みやすい作品です。
優しくて仕事もできる横山が困った男にほだされていく気持ちは横山視点で、美辞麗句を口にできない正直すぎる加賀の気持ちも加賀の視点でそれぞれ描写されていたりするので、双方の気持ちが自然に納得できます。読み進むうち、横山がすごくかっこよく思えてくるし、加賀が胸キュンにかわいく見えてきちゃいます。

ただ、話としては痛くもかゆくもない感じ。いつもの木原カラーが足りないかなーと。こっちは相当免疫できてるんで、ちょっとやそっとじゃ物足りなくなってるんです。
新装版ということで、かなり以前の作品のようです。今ではこのような攻受はっきりしないぐるぐる話は、他の作家ｻﾝが踏襲しているので、新鮮味がやや不足でした。

逆に言うなら、今の作家ｻﾝたちが書いてるようなものは、とっくにやってたんですね。

2011/08/01

羽もの＋リーマンもの、ですが
リーマン率の方が高く、ファンタジー臭くなくてよかったです。
ファンタジー臭いものはどうにも…(^_^;)

まぁ言い換えると『羽』である必要性などどこにもないのではと思ったりもしたのですが
まぁそれはそれで。

加賀のキャラにイラッとしつつも、可愛いらしさを感じるのは
加賀が至って真面目男だからでしょう。
不器用な真面目男。
ルックスはいいのに、性格に難あり。
対する横山は大人なんだけど、意外に嫉妬深くて驚いた。

自分的にこういうすれ違い方はイライラしつつも好きです。
王道といいましょうか。
なのでゆっくり読んでたけど飽きはしなかった。

2011/07/27

面白い要素を詰め込みすぎて逆に活かしきれてない印象。
天使の羽ももうちょっと深くストーリーを入れて欲しかったし、さおりさんの話というか依存関係についても語って欲しかった。

二人営業だったころの前半と後半のノリというか性格が結構変わってるような…？

2011/07/19

性格きつくて沸点も低く辛辣な口調の加賀だけど恋に対しては奥手でヘタレというギャップが読んでるうちに可愛く思えてきたりｗ対する横山も嘘は見抜けても心の機微には少し疎く、ゲイとノンケというのもあってもどかしい二人でした。そんな二人をさらに引っ掻き回す女が個人的に地雷だった。木原さんなので甘々にはならないけど「好き」が随所に溢れてたのでさほど不安は感じず。書き下ろしのエピはちょいと厳しいけど二人の関係はちゃんと深まってて安心できた。物足りない甘さは木原さんHPのSSで補完してニヨニヨ♪羽根、いいなぁ～！