砂漠の惑星 の商品レビュー
「ソラリスの陽の下に」・「エデン」と並び、ファーストコンタクト3部作のうちの1作。「エデン」は積読中なんだけど、ソラリスといい、本作といい、これは果たして異星生物とのコンタクトに成功しているのかどうかという点では疑問が残る。ソラリスでは知性を持った(?)『海』、本作では生き残った...
「ソラリスの陽の下に」・「エデン」と並び、ファーストコンタクト3部作のうちの1作。「エデン」は積読中なんだけど、ソラリスといい、本作といい、これは果たして異星生物とのコンタクトに成功しているのかどうかという点では疑問が残る。ソラリスでは知性を持った(?)『海』、本作では生き残った機械が進化した微小の虫型の無生物が出てくる。いずれの前でも人間はかくも無力である。この砂漠の惑星も、人間が敗走する形で幕を閉じるのだが、何故か清々しく誇らしささえ感じる終わり方だった。
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(2006.11.29読了)(拝借) 原題は、「無敵号」と言うのだそうで、1964年の作品です。ハヤカワ文庫では、1977年に一度出たのですが、これは、2006年の新装版です。 「ソラリス」は、知能を持った海の話でしたが、「砂漠の惑星」は、琴座星人によって地上の外敵を排除するよう...
(2006.11.29読了)(拝借) 原題は、「無敵号」と言うのだそうで、1964年の作品です。ハヤカワ文庫では、1977年に一度出たのですが、これは、2006年の新装版です。 「ソラリス」は、知能を持った海の話でしたが、「砂漠の惑星」は、琴座星人によって地上の外敵を排除するように制作された学習能力を持った機械が主人である琴座星人が死滅した後も機能し続け新しく訪れた地球人に対しても攻撃をし続けているという話です。 ●物語の概要(「訳者あとがき」より) 「場所は琴座系の外れにあるレギス第三惑星である。かつてこの惑星の調査のために琴座の宇宙本部基地を飛び立った巨大な宇宙船、従って強力な武器と強力な防御設備とを備えた宇宙線コンドル号がこの惑星で消息を絶っている。何らかの理由で事故に会い、百人近い乗組員は全滅したのである。第二の宇宙船無敵号はコンドル号とその乗組員の捜索を目的としてレギス第三惑星に着陸する。そこからこの物語は始まる。何が起こるか分からない未知の惑星であるがゆえに万全の防御策を講じながら、早速捜索は開始され、やがてコンドル号やその乗組員の遺体は発見されるが、事故の原因はさっぱり分からない。とかくするうちに無敵号の乗組員にも犠牲者が出始める。黒雲まがいのものが突如巻き起こって、これに巻かれた人間は一切の記憶を失い、廃人同然になってしまうのである。その黒雲によって自動機械もすべてプログラムを狂わされてしまう。 黒雲の正体は羽虫ほどの小さな金属片の集合である。その金属片は太陽エネルギーを吸収しながら、何らかの環境の変化を察知すると、互いに結びついて黒雲状の群体となり、全体が一個の電子頭脳を備えた巨大なサイバネティックス機械のようなものとなって、強力な磁場を作り出し、外敵の中枢神経に相当する部分を破壊してしまうのである。 仮説によれば、かつて琴座のデータ星が爆発する以前に、そこの第六惑星には知的生物が住み、彼らは技術の面で非常に進んだ文明を持っていた。その琴座星人の偵察用宇宙船がレギス第三惑星に着陸して惨事に会い、琴座星人は死に、自動機械だけが残って、宇宙船の外へ出て行った。それらの自動機械、つまりロボットはどんな困難な条件の中でも生きながらえることのできる、高度に専門化された、ホメオスタシスを持つ機械装置だったのである。自動機械は、この惑星の自然条件に適応するために自己変革を遂げつつ、自己増殖の能力を備え、一方ではこの惑星の生物と、他方では自動機械相互の間で生存競争を展開し、やがて数百万年に渡るその生存競争と自然淘汰の勝利者として残ったのが《黒雲》であると考えられる」 ●棺桶聴診器(81頁) 「死んで間もない人間、あるいは、低温その他の作用によって腐敗が始まる前の死体なら、この装置を使って意識の最後の内容を聞き取ることができた。」 1964年ごろの最先端の医科学知識と想像力を総動員して、40年後の現在でも楽しく読める物語を創作できたレムと言う人は、凄い。宇宙の知識も科学技術もさほど進んでいないと言うこともあるかもしれないけれど。 SFと言う分野も結構面白い分野と言えると思う。 「ソラリス」と「砂漠の惑星」と「エデン」が三部作になっていると言うことですので、「エデン」も是非新装版で復刊して欲しいものです。 著者 スタニスワフ・レム ポーランドを代表するSF作家 1921年09月12日 現在のウクライナ領リヴィウに生まれる 1946年 クラクフに移る 1961年 代表作の『ソラリスの陽のもとに』を発表 2006年03月27日 ポーランド南部クラクフで心不全のため死去、84歳 (「BOOK」データベースより)amazon 6年前に消息をたった宇宙巡洋艦コンドル号捜索のため“砂漠の惑星”に降り立った無敵号が発見したのは、無残に傾きそそりたつ変わり果てた船体だった。生存者なし。攻撃を受けた形跡はなく、防御機能もそのまま残され、ただ船内だけが驚くべき混乱状態にあった。果てなく続く風紋、死と荒廃の風の吹き抜ける奇怪な“都市”、貞察機を襲う“黒雲”、そして金属の“植物”…探検隊はこの謎に満ちた異星の探査を続けるが。
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いやー、面白かった。 これ、1964 年の作品とは! 先が読めず、ハラハラ、ドキドキ。 最後やったーと思い、 ページをめくると、あ?終わり?・・・。 いきなり終わられたけれど、 すごく面白かった。
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“われわれは、われわれの知識の尺度では計れないすべてのものを撃破しつくすことを目的にして、どこへ行くにも強力な破壊兵器を積んでいかなければならないのだろうか?”
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ソラリス3部作の第2作。 私はレムの作品の中でこれが一番好きです。 スペクタクルとはまた違った、東欧SFへようこそ。
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