春のめざめは紫の巻 の商品レビュー
源氏の君のイメージがボロボロです。 けど、原作では源氏に泣かされっぱなしの女君たちが強い。 小気味よいですね。 特に女三の宮。
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田辺聖子は特に好きな作家の一人だが、その中でもこの本は何度読み返したか分からない。 一口に言ってしまえば源氏物語のパロディであるが、本家を超える面白さがある。その理由は登場人物の魅力にある。 光源氏は低俗で情けない人物として描かれているが、源氏を取り巻く女性たちは対照的に...
田辺聖子は特に好きな作家の一人だが、その中でもこの本は何度読み返したか分からない。 一口に言ってしまえば源氏物語のパロディであるが、本家を超える面白さがある。その理由は登場人物の魅力にある。 光源氏は低俗で情けない人物として描かれているが、源氏を取り巻く女性たちは対照的に、鮮やかで生き生きとした魅力にあふれている。 紫の君は、はねっかえりで源氏をいつもやりこめてばかりいる。女三宮も溌剌としていて天真爛漫だ。玉鬘は源氏の古臭い色香に惑わされず、運命の相手を自分で選び取り、空蝉は自ら大胆に源氏を誘う。 彼女たちは常に自分の気持ちに正直に生き、潔い。真っ直ぐで大胆で、それでいて馥郁とした美しさと気品を持ち合わせている。 男の気まぐれや都合に翻弄され、泣き寝入りをしてきた源氏の女たちにはない、凛とした強さがある。 本当にみんなチャーミングだが、特に紫の君は魅力的だ。 やんちゃで、お転婆で光源氏に対してずけずけと言いたいことを言うが、心の底では光源氏を大切に想っている。思いっきりツンデレなんだよね・・・。わがままで勝ち気だけど根はやさしい。 美少女のツンデレほど美しいものがあるだろうか。 やはり光源氏という男は幸せ者なのかもしれない。
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前作「私本・源氏物語」とは視点を変え、 源氏と関わり合いのあった女性の目線から見た 源氏を描いた作品。 前作では、従者の目線から見た愛のある源氏の悪口で、 一貫して「中年になって初めてわかる人生の楽しみ」を主張していたため 分かりやすく、受け入れやすかったが、 本作は、うーん...
前作「私本・源氏物語」とは視点を変え、 源氏と関わり合いのあった女性の目線から見た 源氏を描いた作品。 前作では、従者の目線から見た愛のある源氏の悪口で、 一貫して「中年になって初めてわかる人生の楽しみ」を主張していたため 分かりやすく、受け入れやすかったが、 本作は、うーん・・ 語り手が次々に入れ替わって落ち着かないし、 「源氏なんて古い~、別に好きじゃない~」という若い女子の 単なる悪口で、愛もないので正直途中で飽きてしまった。
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さすがの光源氏も中年になれば、若い子からは、イタイおじさんか…私も気をつけよう……と思ってしまうほど、ムリなく読めて面白い。御大の力を感じます。
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