シュリーマンの生涯 の商品レビュー
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古代への情熱を感じられた。 シュリーマンが猪突猛進に描かれていた。きっとこれくらいの情熱、いやそれ以上の病的な高熱をあげないとこれだけの偉大な発見はできなかったのだろう。 学校で歴史を学ぶが、その始めの一歩である古代史で多くの学生はその瞼を重く閉じる。 考古学などにロマンを感じられるのはよっぽどの妄想狂であると思う。 リアリストで経済的な人間は、自分の利益にならない大昔への探究心は限りなくゼロであろう。 シュリーマンは古代への熱病と枯れることのない資金があったからそのロマンを叶えられたということがよく伝わってきた。その点でこの本は良い。 著者のアーヴィング・ストーンは、この本のあとがきにあるように、ものすごい緻密な情報集集をしたのだろう。だからこれだけリアルに描けるし、シュリーマンの何がすごいか、その本質を的確に表現できたのだろう。 うん、この人いいわ。他のもぜひ読もう。 ___ シュリーマンは高校世界史の古代ギリシア世界で名前が出る。それだけ。 シュリーマンの生涯から読み取れることで大事なことは何だろうか。 ●パイオニアの苦労を知ることができる。 ●科学者は常に持論を更新して行くものだという格言。 ●「世の中お金だけじゃない。」という言葉が甘いってことを分からせてくれるほどの、お金の力、使い方、を教えてくれる。 彼はものすごい人だ。でも学校で教えられるのは名前だけ。それだけ教育内容は情報を最低限に薄く伸ばしたものであるということ。 再確認。 もし教師になったら彼を教材にして、濃い授業をしたいと思う。できるかな。したいな。
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