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りすん の商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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2024/01/22

諏訪哲史はもしかしたら人類にとっての(少なくともモンゴロイドにとっての)宝かもしれない。唯一無二ゆえにその存在は既に絶滅危惧種。狭い世界で祀りたてカルト化させるような真似はせず、感銘を受けた読者は諏訪哲史のバックアップに尽力していただきたい‥‥と、夢想するほど至福の読書体験でした...

諏訪哲史はもしかしたら人類にとっての(少なくともモンゴロイドにとっての)宝かもしれない。唯一無二ゆえにその存在は既に絶滅危惧種。狭い世界で祀りたてカルト化させるような真似はせず、感銘を受けた読者は諏訪哲史のバックアップに尽力していただきたい‥‥と、夢想するほど至福の読書体験でした。

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2019/04/20

諏訪哲史さん『りすん』読了。小説に対する諏訪さんの考え方がよく分かる本でした。 真面目でまっすぐで考え過ぎちゃう人なんだろうなぁ。どんどんずんずん掘り下げちゃった、という感じ。國學院大学文学部の哲学科卒だもんなぁ、と納得もします。私は諏訪さんと同じく國學院大学文学部卒だから諏訪さ...

諏訪哲史さん『りすん』読了。小説に対する諏訪さんの考え方がよく分かる本でした。 真面目でまっすぐで考え過ぎちゃう人なんだろうなぁ。どんどんずんずん掘り下げちゃった、という感じ。國學院大学文学部の哲学科卒だもんなぁ、と納得もします。私は諏訪さんと同じく國學院大学文学部卒だから諏訪さんに対して多少の贔屓目があるかも知れないけど、諏訪さんの小説は好きです。文学に対峙する姿勢も、紋切型予定調和への嫌悪という考えも、小説への試みも、共感できるし好感が持てます。諏訪さんの小説を読むと大学時代の講義を思い出します。文学部の卒論なんて、掘って掘ってこねくり回してくっつけたり剥がしたりひたすら深読みするものだから。 あとがきで諏訪さんは「愛と死の物語」の紋切型として、映画は『ある愛の詩』、小説は『ノルウェイの森』か『風立ちぬ』を挙げ、それらのレヴェルを超えることなくただ愛と死の物語を反復し、商業主義に媚びる作品は創作でなく模倣だと書いているのですが、私も全く同じ3作品に影響を受けたので苦笑いしました。

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2016/07/14

アサッテ実践編……にしては、内容が幼稚。 カップルで創作する・通用する言葉、というレベルに落ちてしまっているのでは。 また「書かれている」という意識も……うーむ…… 決して悪くない。なのに何か物足りない。 しかし最終2ページの仕掛けにはぐっとくる。 作者の心優しさが効い...

アサッテ実践編……にしては、内容が幼稚。 カップルで創作する・通用する言葉、というレベルに落ちてしまっているのでは。 また「書かれている」という意識も……うーむ…… 決して悪くない。なのに何か物足りない。 しかし最終2ページの仕掛けにはぐっとくる。 作者の心優しさが効いている。 ……単行本で買ったら文庫が出るという、バッドタイミング。

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2012/06/06

あまりにも普通に"小説"として読んでしまったけれど、会話文のみで書かれているんですよね。諏訪哲史さんの小説は、他作品でも小説としての形式からの脱却にこだわって書かれていますが、本作品では紋切り型についてつっこんでいて面白かった。お涙頂戴モノって売れますよね。後...

あまりにも普通に"小説"として読んでしまったけれど、会話文のみで書かれているんですよね。諏訪哲史さんの小説は、他作品でも小説としての形式からの脱却にこだわって書かれていますが、本作品では紋切り型についてつっこんでいて面白かった。お涙頂戴モノって売れますよね。後書き読んだら、やるなあと笑いました。さて、本編。途中、読者に(私に)問いかけてる?とドキッとさせられました。前作「アサッテの人」を批評した小説だと感じました。

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2011/12/20

自分はこういうのを読みたかった、と気がつきました。 書かれた文字の内と外、交錯する得体の知れない感覚。

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2011/12/07

非常に「挑戦的な」小説。恩田陸『中庭の出来事』に似ている。 読み終えてみて、結局は小説の壁を越えられていないように感じた。筆者も書きながら迷っているのが、どことなく伝わってくる。

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2011/09/23

地の文を一切使わないセリフのみの目新しい文章形態が特徴の小説。小説における作者の位置付けを常に意識しながら、読者と本の中の世界を分かつ垣根をどれだけなくすことができるかに挑戦したチャレンジブルなものであった。そうすることで読者にたいし、これはノンフィクションであるかのような感覚に...

地の文を一切使わないセリフのみの目新しい文章形態が特徴の小説。小説における作者の位置付けを常に意識しながら、読者と本の中の世界を分かつ垣根をどれだけなくすことができるかに挑戦したチャレンジブルなものであった。そうすることで読者にたいし、これはノンフィクションであるかのような感覚に陥らせ、臨場感を駆り立てる。読者に読んでもらうという商業的な小説ではない、読者に読ませる、そして対話させる小説本来の役割を考えさせられる非常に興味深い内容だった。

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2011/07/27

不思議な一冊。 物語・小説には「書き手」が存在する以上、否が応にも「作為」的になってしまう。それら諸問題に対してどういったアプローチができるのか、また本作の内容のような「書き」をした場合、小説の構造事態は変質するのか。。。 実験的な作品である、と感じた。前作「アサッテの人」でも同...

不思議な一冊。 物語・小説には「書き手」が存在する以上、否が応にも「作為」的になってしまう。それら諸問題に対してどういったアプローチができるのか、また本作の内容のような「書き」をした場合、小説の構造事態は変質するのか。。。 実験的な作品である、と感じた。前作「アサッテの人」でも同じテーマを扱っているため、本作は前作と別視点による実験的試みであることがわかる。 「小説とはなんぞや」「物語るとはなにか」を図らずも問かけ直されることになった。単なるメタフィクションではない、実験的な小説として非常に楽しむことができた。なかなか出来ない体験をしたと思う。かなりおすすめ。

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