プレミアム・ザ・ビーンズ(1) の商品レビュー
“「シャル。なにか欲しいものない?」 こんなに弱っているシャルは、はじめてだ。心配のあまり、彼がベッドの上に投げ出している片方の手の甲に触れた。 すると軽く閉じていたシャルの瞼が開き、アンを見てちらりと笑った。 「欲しければ、くれるのか?」 「うん」 「じゃあ、おまえ」 「へ?」...
“「シャル。なにか欲しいものない?」 こんなに弱っているシャルは、はじめてだ。心配のあまり、彼がベッドの上に投げ出している片方の手の甲に触れた。 すると軽く閉じていたシャルの瞼が開き、アンを見てちらりと笑った。 「欲しければ、くれるのか?」 「うん」 「じゃあ、おまえ」 「へ?」 意味がわからず、きょとんとした。が、すぐに耳が熱くなる。彼に触れていた手が恥ずかしくなり、引っこめた。 「シャル!わたし本気で心配してるのに、からかわないで!」 真っ赤になって怒鳴ると、シャルはくすくすっとすこしだけ笑って再び目を閉じた。やはりいつもより元気がない。 どうにかして元気になってくれるような方法はないものだろうか。 人間ならば医者に診せ、安静にして、栄養のあるものを食べればいいのだろうが、妖精の医者など聞いたことがない。 ミスリルが言うように、温めたワインで元気になるものでもないだろう。 ——妖精が元気になるもの? はっと思い出して、立ちあがった。” 「シュガーアップル・フェアリーテイル 日と月の密約」 三川みり 例によって例のごとくシュガーアップル・フェアリーテイルだけ読んだりもごもご。
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