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文章はどう書くか の商品レビュー

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2021/06/03

1980年に初版発行という、いささか古い本ではあるが、日頃から文章作成には関心がありタイトルにも惹かれたことから読んでみた。 著者は東大法学部卒業後、朝日新聞社に勤務し論説委員として「社説」や「天声人語」なども執筆した、いわば文章作成の゛匠〝。この本は素人向けに分かりやすく書かれ...

1980年に初版発行という、いささか古い本ではあるが、日頃から文章作成には関心がありタイトルにも惹かれたことから読んでみた。 著者は東大法学部卒業後、朝日新聞社に勤務し論説委員として「社説」や「天声人語」なども執筆した、いわば文章作成の゛匠〝。この本は素人向けに分かりやすく書かれているものの、文章感覚のみがき方、守るべき文章作法、文章上手になるテクニックについて、匠らしい品格と含蓄が漂う内容となっている。 自分も既に意識して実践していたり、なるほどと納得できる事項もあれば、そこまでの感性を持って書くのはしんどいし、そこまで、こだわって文章を書く機会もないだろうと高を括りながら読んでしまった箇所もあった。 細かい部分はともかくとして、概念として記憶に留めておきたいと思った事項を以下に書き記しておく。 ・デリカシーという人間の中身は文章を書くために必要であると同時に文章を書くことで向上する。 ・文章の要件として、何よりも「わかりやすさ(明快性)」が大切である。 ・プロ作家の形容や比喩のうまさは見習うべきであるが、素人があまり仰々しい形容を使うと、かえって文章が幼稚に見える。 ・形容は「素晴らしい」とか「美しい」「すごい」といった生のままでなく、具体的な有り様を借りて表現しないと説得力が発揮できない。 ・文章は「描写」、「説明」、「会話」の3つに分類される。「描写」は読者の感性に訴え、「説明」は理性に訴えることが多い。「会話」は人物描写であるが、人生の真理や哲学を語り、「説明」に近いケースもある。 ・優れた芸術作品は作者がどんな人間であろうと関係なく、作品そのものが独立した価値を持っている。

Posted byブクログ