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立版古 江戸・浪花・透視立体紙景色 の商品レビュー

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2件のお客様レビュー

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2013/04/23

立版古とは、江戸中期から大正にかけて流行って夏の風俗。 夕涼みの台や店頭に飾って楽しんだものらしい。 パーツが刷られた紙を切り貼りして、風景や芝居の場面を組み立てる。 昔子供向け雑誌の付録にあった(今もあるのか?)紙細工はここがルーツか。 飾る→凝る→評判になる→エスカレート こ...

立版古とは、江戸中期から大正にかけて流行って夏の風俗。 夕涼みの台や店頭に飾って楽しんだものらしい。 パーツが刷られた紙を切り貼りして、風景や芝居の場面を組み立てる。 昔子供向け雑誌の付録にあった(今もあるのか?)紙細工はここがルーツか。 飾る→凝る→評判になる→エスカレート これガーデニングやクリスマスの飾りにも通じるなあ。 パーツがぎっちり書かれた摺り絵には説明書がない。 歌舞伎なら場面を知っているし、組み立て方も「言うまでもない」ことだったらしい。 四コマ漫画しか読めないという人が、ストーリー漫画は読む順番がわからないと言っていたのを思い出した。 出来る人には当たり前だけど、知らないとわからないってことなんだろうな。 そんな自由度の高い遊びなので、組み上げ方にセンスが問われる。 いくつか掲載されている再現はあんまりうまくないのがある。 組み上げてみると絵自体のうまい下手もよくわかる。 もうちょっと斜めにすれば動きがでるのに!とかヒレはそこじゃない!とか口を出したくなって、つまりはやってみたくなる。 私は手作業苦手だからきっとイラっとして投げるだろうけどそれでも手を出したいほど魅力的。 美術品として鑑賞される錦絵と違って、使ってなんぼの消耗品はあまり後世に残らない。 学術や美術の中でも一段低い扱いをされていることもあって知名度が低いけれど、この本が出版された1993年にはまだ記憶が残っている。 大正を覚えている人がいて、もっと上の世代から聞いたナマの話を覚えている。 論考より頼りにできる記憶がまだ残ってたんだ、と感慨を覚えた。 ブックレットだから写真だけ見られればいいやくらいに思っていたけれど、読んでみたら案外中身が濃い。 ただ後ろにいくにつれてつまらなくなる。 イメージだけで語ったり、子供向けを馬鹿にした上ででもこれは例外ですと褒めるようなのはつまらない。 玩具への愛やら江戸への敬意やらがある人の書くものは面白い。 出版は1993年。立版古を集めた展示に連なって出されたものらしい。 タイムスリップして見に行きたい。

Posted byブクログ

2009/10/04

銀座のINAXSショールーム書店で求めた、同ギャラリーの目録です。展示は見逃してしまいました。悔しい… 大変充実した内容ですが、残念ながら絶版です。

Posted byブクログ