丸谷才一対談集 文学ときどき酒 の商品レビュー
「源氏物語」を知り尽くした丸谷才一氏と円地文子さんの対談とあれば面白くなかろうはずはない。瀕死の柏木の詠いかけに女三宮は「煙くらべ」の歌を返します。その後に添えられた「後るべようやは」に込められた女三宮のピュアな気持ちを指摘する円地さん。「源氏」は「若菜」上下と「紅葉賀」から「賢...
「源氏物語」を知り尽くした丸谷才一氏と円地文子さんの対談とあれば面白くなかろうはずはない。瀕死の柏木の詠いかけに女三宮は「煙くらべ」の歌を返します。その後に添えられた「後るべようやは」に込められた女三宮のピュアな気持ちを指摘する円地さん。「源氏」は「若菜」上下と「紅葉賀」から「賢木」までの二ヵ所が素晴らしいという丸谷氏に大いに同感します。なんて素敵な対談でしょう。興趣が尽きません。
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