従妹ベット(下) の商品レビュー
鹿島茂「悪女入門」によれば、「タイトルが少しそぐわないのではないか(中略)主役である『妖婦ヴァレリー』でも『好色男ユロ』でもなく(中略)醜い従妹ベットがタイトルに使われているからです」。 「好色男ユロ」。他の翻訳では「好色一代記」の副題があったように思う。エクトル・ユロのモデ...
鹿島茂「悪女入門」によれば、「タイトルが少しそぐわないのではないか(中略)主役である『妖婦ヴァレリー』でも『好色男ユロ』でもなく(中略)醜い従妹ベットがタイトルに使われているからです」。 「好色男ユロ」。他の翻訳では「好色一代記」の副題があったように思う。エクトル・ユロのモデルは文豪ヴィクトル・ユゴーというが、サチュリア(男性色情狂)の疑いがあるユゴーならさもありなん。 ベットが手を下さなくても、ユロ家は家長の度を越した猟色により、瓦解したのではあるまいか。 河出世界文学大系版で本文・解説を読んでから、岩波文庫下巻の解説を読む。 追記:闇の仕事師みたいなサン・テステーヴ夫人の迫力が際立っている。さぞかし「人間喜劇」の中で暗躍するのだろう。
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下巻の展開は激しいとでも言えばいいか。 吐きそうになるくらいには人間が気持ち悪い。 よくもこんなに人間の嫌な面ばかりを剥き出して、 ストーリーを破綻なく進められるものだ。 不思議に予定調和を見る思いがした。 すごいものだ…結局はなるようになったということか。 ベットは望んだも...
下巻の展開は激しいとでも言えばいいか。 吐きそうになるくらいには人間が気持ち悪い。 よくもこんなに人間の嫌な面ばかりを剥き出して、 ストーリーを破綻なく進められるものだ。 不思議に予定調和を見る思いがした。 すごいものだ…結局はなるようになったということか。 ベットは望んだものは手に入らなかったが、 望みもしなかったものを押しつけられた。 悪くはないと考えるべきなんだろうけど、嫌な最期だ。
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