ウルトラマンと「正義」の話をしよう の商品レビュー
ウルトラマンは、勧善懲悪の単純な子ども向け番組ではない。 正義の味方とされるウルトラマン。地球にやってくる怪獣や宇宙人を倒して、地球の平和を守るヒーローである。 しかし、実はウルトラマンと対決する怪獣や宇宙人が、がいつも完全なる悪の存在とは言えないのだ。 地球人のエゴイステ...
ウルトラマンは、勧善懲悪の単純な子ども向け番組ではない。 正義の味方とされるウルトラマン。地球にやってくる怪獣や宇宙人を倒して、地球の平和を守るヒーローである。 しかし、実はウルトラマンと対決する怪獣や宇宙人が、がいつも完全なる悪の存在とは言えないのだ。 地球人のエゴイスティックな行為が、異星人や怪獣の生活を侵犯することになった結果、自衛として地球を攻撃するケースがある。それを、力で撃退するのだ。 人間の宇宙開発政策の犠牲になった人間が、怪獣となり地球に戻ってくる。それを知りながら、ウルトラマンは怪獣を力で滅ぼすことがあるのだ。 正義とは何処にあるのか?悪とは何なのか? ウルトラマンは、大人の常識的な価値観をゆさぶり、問いかけてくるのである。
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とても真摯にウルトラマンのことを語っていただき、嬉しかったです。全世代のウルトラマンを網羅していました。難し過ぎるとこもありましたが、こんな先生もありだと思いました。
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大人がまじめに見るウルトラマン。 必ずしも人間がウルトラマンが正義ではなく、暴力で侵略支配する加害側にもなる。 何故人を殺してはいけないのか、簡単に入れ替わる善悪。大衆世論による不確定な正義感。 とてもおもしろかった。
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ウルトラマンシリーズのあらゆる話から、人間の生き方、地球との関わり方、武器のことから何から鋭いところを突いてくる。何度か泣きそうになった。 異物を排除する人間の愚かさや、武器を持つことの怖さ、 「正義」とは何なのかを考えさせられる。 北朝鮮が東日本大震災に寄付をしていた...
ウルトラマンシリーズのあらゆる話から、人間の生き方、地球との関わり方、武器のことから何から鋭いところを突いてくる。何度か泣きそうになった。 異物を排除する人間の愚かさや、武器を持つことの怖さ、 「正義」とは何なのかを考えさせられる。 北朝鮮が東日本大震災に寄付をしていたとは、この本を読まなければわからなかった。
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発売予定の『ウルトラマン「正義の哲学」』の存在を知り気になっていたとき、ほんとにたまたま図書館で目についた本でした。 これは面白い。といいつつウルトラマンシリーズほとんどみたことがないので、全部観てみたくなりました。 ウルトラマンという身近な題材で、ストーリーもしっかりしている所...
発売予定の『ウルトラマン「正義の哲学」』の存在を知り気になっていたとき、ほんとにたまたま図書館で目についた本でした。 これは面白い。といいつつウルトラマンシリーズほとんどみたことがないので、全部観てみたくなりました。 ウルトラマンという身近な題材で、ストーリーもしっかりしている所からの話だったのでわかりやすかった。
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とある事情よりヒーローと正義の関係を考えたくて探し出した本。 わたし自身は性別的にもあまりウルトラマン自体を観たことはなかったけれど一通りのあらすじなどを紹介してくれるので、同じ尺度で考えることが出来たと思う。 一言で「正義」と言ってしまうにはすごく難しく扱いにくい言葉をじっくり...
とある事情よりヒーローと正義の関係を考えたくて探し出した本。 わたし自身は性別的にもあまりウルトラマン自体を観たことはなかったけれど一通りのあらすじなどを紹介してくれるので、同じ尺度で考えることが出来たと思う。 一言で「正義」と言ってしまうにはすごく難しく扱いにくい言葉をじっくり考えられる一冊でした。
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1、正義とは力だけでなしえない。 2、世界唯一の被爆国だからこそ描けるものがウルトラマンにはある。 3、正義の味方願望を満たすには2つのやり方があり、一に敵を作り強者になることと、二に弱者を助けることである。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本書は『ウルトラマン』の中で描かれた様々な正義と、それにまつわる諸問題について考察したものです、日頃、中学絵師に授業で伝えていることに触れつつ、生徒には教えていないような現代思想や哲学の方法を用いた説明を大幅に加えています。 (正しさを疑うとは)……地球は地球人のものという「当たり前」を崩壊してみせたドラマです(「ノンマルトの使者」)。 (悪いのは誰かとは)……「ザ✩ウルトラマン」第12話怪獣とピグだけの不思議な会話より、いかに生育歴が良くなく、劣悪な環境のせいであったとしても凶悪な犯罪を犯せば厳罰を与えられるのは仕方がないことだと思うからです。 (戦いは何のため)……戦いの先に何があるのかは誰にも見えず、戦いは何かを得るための手段から始まり、いつしか敵をたたくこと自体が目的になっていくのではないでしょうか。 (正義を求める心とは)……「正義」とはもともとあったものではなく、今日妥当であると思われている「正義」が未来に亘って「正義」である保証もありません。その時、その場に必要な「正義」を設定するため議論が不可欠です。
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改めて、ウルトラマンシリーズが普遍性をもった作品だと感じさせてもらえる本でした。 ウルトラマンシリーズが扱っているのは、科学と経済の急激な発達によって、未熟なままで国際的な責任を持つようになってしまった日本人への皮肉だと、この本を読んで改めて思いました。 ここで紹介されているエ...
改めて、ウルトラマンシリーズが普遍性をもった作品だと感じさせてもらえる本でした。 ウルトラマンシリーズが扱っているのは、科学と経済の急激な発達によって、未熟なままで国際的な責任を持つようになってしまった日本人への皮肉だと、この本を読んで改めて思いました。 ここで紹介されているエピソードは、そもそも善意や自己防衛から始まったものばかりです。そういったものに付随する、社会や人間の闇が今もあるからこそ、現代を生きる生徒さんも考えさせられるのでしょう。 取り扱うエピソードのあらすじが書かれた後に、考察があるので、ウルトラシリーズを見ていない方も手に取りやすいです。 正義のヒーローの話に隠れる影を一度見てみて下さい。
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