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橋本治と内田樹 の商品レビュー

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19件のお客様レビュー

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2020/02/11

パブリックな面、小説の作法として説明を丁寧にすること、特異な橋本治さんのことに内田先生を通じて触れることができました。

Posted byブクログ

2019/08/13

橋本治と内田樹の対談を収録しています。 もっぱら橋本を深く敬愛する内田が、橋本のすごさを引き出そうとしていますが、話をまとめようとする内田を振り切って、橋本が思いもかけない方向へと議論を拡散させていくために、けっきょくまとまりのつかないかたちで話がどんどん進んでいってしまうとい...

橋本治と内田樹の対談を収録しています。 もっぱら橋本を深く敬愛する内田が、橋本のすごさを引き出そうとしていますが、話をまとめようとする内田を振り切って、橋本が思いもかけない方向へと議論を拡散させていくために、けっきょくまとまりのつかないかたちで話がどんどん進んでいってしまうという印象があります。それをおもしろいと思うか、それとも散漫だと思うかで、評価が分かれそうです。 橋本治を批評するひとがいないことを問題視する内田の主張は、おなじことを強く感じていた読者としては、あの内田ですら橋本治をつかまえることができずにいる本書の対談を読んで、いささか絶望的な気分にもなってしまいます。それでも、橋本治における「公共性」のありかたなど、いくつか興味深い着眼点が示されていて、感心させられることもけっしてすくなくありませんでした。そのうえでなお、隔靴掻痒の感がのこります。

Posted byブクログ

2019/07/16

47 橋本治さんが亡くなり、内田先生が何度もその知性を褒めたたえるので、読んでみたくなったが、正直自分には対談本を読むだけでは知性のすばらしさがわからなかった。面白かったのは、官打・位打という言葉。これは初めて聞いた概念だが、とても面白かった。何かというと、武家が増長していった...

47 橋本治さんが亡くなり、内田先生が何度もその知性を褒めたたえるので、読んでみたくなったが、正直自分には対談本を読むだけでは知性のすばらしさがわからなかった。面白かったのは、官打・位打という言葉。これは初めて聞いた概念だが、とても面白かった。何かというと、武家が増長していった時代に、頭角を現すものをつぶす方法である。実力のある者に対して、明らかに不つり合いな大出世をさせる。しかし、不釣り合いな仕事をこなせるわけもなく、その人物は失墜するというエスタブリッシュを武器にした攻撃。後白河法皇の義経の猛プッシュは官打だったという。平安の貴族たち、和歌を詠んでるだけじゃなくて、なかなか手ごわい。。

Posted byブクログ

2018/11/04

 橋本治って知らなかったのだが、いつも上から目線の内田樹を軽くいなし、叩いていくところが痛快。  橋本治著、「窯変 源氏物語」も面白い(第一巻で挫折中)

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2014/08/17

あとがき(by橋本治)より 「今をときめく内田樹が橋本治と対談をしているのである。なにも知らない人がこれを聞いたら、「きっと、すごく重要なことを縦横無尽に語っているのだ」と勘違いしてしまうかもしれないが、この本には「重要なこと」なんかろくにない。なにしろ、この対談集の主たるテーマ...

あとがき(by橋本治)より 「今をときめく内田樹が橋本治と対談をしているのである。なにも知らない人がこれを聞いたら、「きっと、すごく重要なことを縦横無尽に語っているのだ」と勘違いしてしまうかもしれないが、この本には「重要なこと」なんかろくにない。なにしろ、この対談集の主たるテーマは、「橋本治」だからである。」 まさにそう、そう勘違いしてしまっていました。 基本的には、橋本治の盛大な自分語りの本。橋本治を大好きな内田樹に促されるままに、語る語る。そのための本だから良いんだけど、これを享受できるだけの橋本治愛は、いまの私にはまだなかった。読んだことのあるいくつかの本は全てとても面白かったのだけれどね。 それでも随所随所、私が少なからず興味をもっている「なにか」について、たとえば戦後の民主主義教育のことや、小津映画のこと、おしゃれについて、神仏混こうについて、、、語っている箇所は、それぞれへ~と思えて楽しかった。

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2014/06/28

賢い人って世の中にはいるんだなあと実感。 でも、あの窯変源氏を書き上げる人が まともなはずないの(笑) でも、気張りすぎてないので、 電車の中で読むのにちょうど良かったです。

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2014/05/12

橋本治さんの公共性への感覚が、わかる!!って思いました。私もなによりも公共的でいることが憧れだとよく思ってました。

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2013/08/28
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天才橋本治について、内田センセイが尋常ならざる興味を持って切り込んでいく、という体の対談。したがってこのタイトルはちょっとヘンだな、と思う。内田樹ミーツ橋本治なのである。どちらも世の常識からすると相当ヘンな人なのだが、やはり橋本治という人はどこか超越してしまっているような風格がある。人を食ったような、でもこれ天然なのかな?とかよくわからない。それでいてその言葉がしばしば本質を鋭く突いているように感じるから始末が悪い。データで説得しない説得力の最たるものではないだろうか。

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2013/04/24

13039 自分自身や仕事について語りながら、日本の歴史、社会、文化、世相にまでリンクしてしまう、まさに縦横無尽な対談。

Posted byブクログ

2013/03/06
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※このレビューにはネタバレを含みます

読む人を選ぶ本である。五十歳代の男性なら、共感できるところが多いだろう。対談集だが、どちらかと言えば、橋本治が主で、内田樹が控えに回っているところが面白い。内田樹といえば、今や飛ぶ鳥を落とす勢いで、次々と本を出しまくっている超売れっ子である。 一方、橋本治はといえば、「背中の銀杏が泣いている。止めてくれるなおっかさん。」のポスターで売り出したことを知っている人が今どれだけいるだろうか。それよりも、『桃尻娘』や、その桃尻語で訳した『枕草子』に始まる日本の古典の現代語訳シリーズのほうが今では有名かも知れない。美術、歌舞伎にも造詣が深いマルチ・タレントとして異彩を放つ。 ではあるが、橋本の本はまともに書評されたことがないのだそうな。「小説現代」でデビューした橋本は文芸二に属していて、「文学界」や「群像」のような所謂文芸一との間には、一本の線が引かれているらしく、文二のほうは中間小説と呼ばれ、文一の「純文学」とは同じ扱いをされないのだという。この文一、文二という分類の仕方が可笑しい(橋本と内田はともに東大卒)。 ジャンルを軽々と飛び越え、編み物の本も書けば、ちくまプリマー新書(このシリーズを企画したのも橋本)のように教科書風の本も書くという橋本のような書き手は、批評家としても批評しにくい相手にちがいない。そういう意味では、この対談集は内田による「橋本治」解剖という狙いがあるのではないだろうか。そう考えると、誰にでも喧嘩を売ると豪語する内田のここでの低姿勢ぶりが理解できる。 実際、東大の先輩にあたる橋本に対し、内田は以前から秘かに尊敬の念をあたためていたらしい。評者などは読んだこともない「アストロモモンガ」だとか「シネマほらセット」などというばかげたタイトルの本や「デビッド100コラム」や「ロバート本」などという巫山戯たものまで読破しているらしい。頒価が1100円だったところから『ナポレオン・ソロ』を洒落てみたというが、分かる人がどれだけいたことか。 『窯変源氏物語』九千枚を書く中で、夕霧中将が漢詩を書くのだが、紫式部も実際の漢詩までは書いていないのを平仄から勉強して漢詩を作ってしまったというから、橋本治、並みの凝り性ではない。また、それをごく自然にやってしまうというあたりにずば抜けた才能を感じるのだが、評者などから見れば対談相手の内田樹もそんじょそこらのインテリとは頭の良さがちがうと常々感じていたのに、橋本相手だと内田がただの優等生にしか見えないほど、橋本のパーソナリティはブッ飛んでいる。 橋本の放つ言葉に、「はあはあ」とか「ふーむ」と返事をするばかりの内田に、ファンはいつもとちがう焦れったさを感じてしまうにちがいない。「ひさしを貸して母屋を取られる。」ということわざがあるが、今売り出しの内田センセイが、どこかの知らないご隠居に説教されているような雰囲気が濃厚なのである。 しかし、そこは賢明な内田センセイのことだ。はじめから、そういう狙いでこの対談を受けたにちがいない。素晴らしい才能が世間にまともに評価されていないことに業を煮やし、自らヨイショに出たのだろう。狙いは当たったのではないか。ヨイショに気をよくしたわけでもないだろうが橋本治が結構素顔を見せている。 啓蒙家的な素質を持つ橋本治と大学教授でもある内田樹の対談である。若者や教育について卓見が光る。また、身体論、古典芸能への傾倒ぶりもある年齢を迎えた読者には興趣が深いものがある。喫茶店の隅で、煙草でも吸いながら、頭のいい二人の話を聞いているようで実に愉しい。特に近頃どこでも肩身の狭い思いをしている愛煙家にはお薦め。溜飲の下がる思いのすることうけあいである。

Posted byブクログ