隠れ家 の商品レビュー
アンネの日記は挫折の連続で読み切ってはいないがこの本は日記のようでいてストーリーがあるからか読みやすい。 収容所に行かなくていいから幸せだと親は言うがいつ見つかるか、狭い空間での共同生活。どちらも幸せとはいい難いが収容所に入ってからのペーターをみると隠れ家の時が幸せだったし、人間...
アンネの日記は挫折の連続で読み切ってはいないがこの本は日記のようでいてストーリーがあるからか読みやすい。 収容所に行かなくていいから幸せだと親は言うがいつ見つかるか、狭い空間での共同生活。どちらも幸せとはいい難いが収容所に入ってからのペーターをみると隠れ家の時が幸せだったし、人間として生活していた。 気の緩みが原因で逮捕されるが密告者がいなければあと少しの辛抱だったのに。 アンネの日記がベストセラーとなって、密告者はどう思いながら生きていたのか気になる。
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アンネ・フランク一家と一緒に隠れ家生活を送っていたもうひとつの家族ペルス一家の長男ペーター。もしもペーターも日記を書いていたとしたら…という設定で描かれたのがこの小説です。「アンネの日記」はノンフィクションですが、こちらはアンネの日記の男子バージョンとも言えます。ホロコーストにつ...
アンネ・フランク一家と一緒に隠れ家生活を送っていたもうひとつの家族ペルス一家の長男ペーター。もしもペーターも日記を書いていたとしたら…という設定で描かれたのがこの小説です。「アンネの日記」はノンフィクションですが、こちらはアンネの日記の男子バージョンとも言えます。ホロコーストについて詳しくない人にも『アンネの日記』を読んだことのない人にも、興味深く読めます。中学生から、特に男子におすすめ。残された資料を基に、ペーターの検挙されたその後についても、描かれています。
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創られたものだけれども、創られたものではない。フィクションのはずだけれど、ノンフィクションのような錯覚に陥る。読んでいると、その境界があいまいになる。アンネとともに隠れ家で暮らしたペーターの視点でアンネの日記に残されたことを想像して描く第一部。収容所に連れて行かれてからのペーター...
創られたものだけれども、創られたものではない。フィクションのはずだけれど、ノンフィクションのような錯覚に陥る。読んでいると、その境界があいまいになる。アンネとともに隠れ家で暮らしたペーターの視点でアンネの日記に残されたことを想像して描く第一部。収容所に連れて行かれてからのペーターの行動と思い、葛藤を、当時の資料から描き出した第二部。 どうしてあんなことが起きてしまったのだろう。どの時点だったら、あの恐ろしい出来事を避けることができたのだろう。私たちが真摯に向き合うべきことのひとつなのだね。
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アンネと隠れ家生活を共にしたペーター。日記から読み取れるペーター像から、彼の視点で人生と心理を想像し、膨らませたら・・・?という意欲作。1部は基本的にアンネの日記に沿っており、2部は捕虜になって以降の様子を、著者が調査を重ねた上で完全創作している。全体の節目節目に、死ぬ間際のペー...
アンネと隠れ家生活を共にしたペーター。日記から読み取れるペーター像から、彼の視点で人生と心理を想像し、膨らませたら・・・?という意欲作。1部は基本的にアンネの日記に沿っており、2部は捕虜になって以降の様子を、著者が調査を重ねた上で完全創作している。全体の節目節目に、死ぬ間際のペーターの思念が紛れ込むような構成。 アンネとは約3歳の歳の差があるわけで、10代の3歳差は、精神面・思想・興味・経験・・・あらゆる面において大きいはず。それを踏まえれば、アンネと同じ家でほとんど同じ時を過ごしていても、当然違う見え方が生じてくる。そのあたりを丁寧な想像で補足していて秀逸。 ただ、読み応えを期待するなら2部。極限状態に追い込まれるほどドラマティックになるのは皮肉だが、収容所での実父との最後や、ペーターの葛藤が、作中で、より印象的だった。
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「アンネの日記」にでてくる男の子ペーターの視点から語られる〈隠れ家〉での物語。マウトハウゼン強制収容所の診療所に横たわり、〈隠れ家〉での生活を回想している。 最初は隠れ家に行くのが嫌だったこと。好きな女の子がいたこと。アンネがはじめは嫌いだったということ。隠れ家での生活。そして...
「アンネの日記」にでてくる男の子ペーターの視点から語られる〈隠れ家〉での物語。マウトハウゼン強制収容所の診療所に横たわり、〈隠れ家〉での生活を回想している。 最初は隠れ家に行くのが嫌だったこと。好きな女の子がいたこと。アンネがはじめは嫌いだったということ。隠れ家での生活。そして第二部は隠れ家がみつかり収容所への移送になったこと。 この第二部はもちろん日記には書かれていない生活、過酷ということばで足りないキビシイ日々が描かれている。迫害により人としても扱われなくなった人々。読んでいてしんどくなりますが、現実なんよね。実際にペーターの手記ではなく作者の取材等により収容所生活が語られている。 もう二度とこんなことが起こらないように。
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児童に入っているけど、字も小さくルビもなく、中学生以上かなぁと思う。アンネとおなじ隠れ家で過ごしたペーター視点の本。フィクションが入り混じっている。ペーターの心の内を読んでちょっとドキドキしてしまった。フィクションですよね?収容所に入れられてからのペーターの生き方はすさまじく、痛...
児童に入っているけど、字も小さくルビもなく、中学生以上かなぁと思う。アンネとおなじ隠れ家で過ごしたペーター視点の本。フィクションが入り混じっている。ペーターの心の内を読んでちょっとドキドキしてしまった。フィクションですよね?収容所に入れられてからのペーターの生き方はすさまじく、痛々しい。分厚さの割に読みやすい。
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実話であるが、フィクションの部分もある。想像を絶する強制収容所の生活。人間を家畜として扱い、囚人も生きるためにそうなれざる負えない状況。現在では想像できない世界だ。生きるための信念とは?今生きている人間に問われているような気がした。
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最近読んだ「乙女の密告」が「アンネの日記」をモチーフにしていたので、「アンネの日記」はまだ読んでいないけれど、たまたま目にして興味が沸いたので読んでみました。作品のアイデアは非常に良いと思ったけれど、元となる悲劇がついこの間の出来事だったのであまりに生々しく、それを土台にした創作...
最近読んだ「乙女の密告」が「アンネの日記」をモチーフにしていたので、「アンネの日記」はまだ読んでいないけれど、たまたま目にして興味が沸いたので読んでみました。作品のアイデアは非常に良いと思ったけれど、元となる悲劇がついこの間の出来事だったのであまりに生々しく、それを土台にした創作を読むのに何か罪悪感を感じてしまったが、話が進むにつれ思春期の恋心、抑制された生活、なぜ僕たちだけが?と言う疑問、忍び寄る恐怖、突然の悲劇など、ドラマチックな展開に引き込まれました。可愛そうです。こんな事があってはいけません。原作のアンネの日記」も是非読みたくなりました。
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アンネ・フランクが隠れ家で恋した少年ペーターが主人公。史実に基づいたフィクション。 小学校高学年以上、中学・高校生にもお薦めです。 【編集者の大塚さんより紹介文いただきました】 この物語は、アンネ・フランクが隠れ家の中で恋をする少年ペーターが主役です。約2年の隠れ家生活と強制...
アンネ・フランクが隠れ家で恋した少年ペーターが主人公。史実に基づいたフィクション。 小学校高学年以上、中学・高校生にもお薦めです。 【編集者の大塚さんより紹介文いただきました】 この物語は、アンネ・フランクが隠れ家の中で恋をする少年ペーターが主役です。約2年の隠れ家生活と強制収容所で過ごした日々がペーターの視点から描かれている、史実にもとづいたフィクションです。 私は、『アンネの日記』(完全版)が刊行された1995年に「アンネ・フランクの足跡をたどる旅」読者特派員となり、「隠れ家」やアウシュビッツ強制収容所などを訪れたことがあったため、特別な思い入れをもってこの本の編集に取り組みました。 ホロコーストは遠い過去のように思われますが、この上なく過酷な環境の中で、どうして自分がこんな目にあうのだろう、自分は一体何者なのだろうと、アンネやアンネの姉、父と話をするペーターの姿は、地震、津波、原発により先の見えない時代を生きようとしている私たちとどこかで重なります。 この苦しみの中で、本当に大事なものは何か、人はすべてを奪われても残るものがあるのだろうか…翻訳原稿を何度も読み返しながら、私も一緒にペーターと考えました。一人でも多くの方に「殺されたユダヤ人のひとり」ではなく、ペーター・ファン・ペルスという人生を確かに生きた少年の物語を読んでいただきたいと思います。
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