生態学入門 の商品レビュー
[ 内容 ] 科学技術文明の急速な浸透はさまざまところで人間と自然の調和に蹉跌を生じている。 公害や自然災害はいったい何に起因するのだろうか。 生物科学と社会・文化科学を架橋すべく脚光を浴びて登場した生態学は今日必修科学の一つであり、地球規模での視点が要求される今日、真の生態学的...
[ 内容 ] 科学技術文明の急速な浸透はさまざまところで人間と自然の調和に蹉跌を生じている。 公害や自然災害はいったい何に起因するのだろうか。 生物科学と社会・文化科学を架橋すべく脚光を浴びて登場した生態学は今日必修科学の一つであり、地球規模での視点が要求される今日、真の生態学的知識が必要であろう。 本書はそうした要請に応えるべく生態学の基本用語を項目別に記述し参考文献を付した、斯界第一人者の手になる入門書の白眉である。 [ 目次 ] [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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鶴見俊輔主催の思想の科学研究会が編纂した『人間科学の事典』の中から、「環境」の部門を独立させて一冊にまとめた本。もともとが事典なので、基本用語の解説という体裁をとっているが、通読すれば『生態学入門』として使えるように各項目が書かれている。執筆者は梅棹忠夫、川喜多二郎、川村俊蔵、吉...
鶴見俊輔主催の思想の科学研究会が編纂した『人間科学の事典』の中から、「環境」の部門を独立させて一冊にまとめた本。もともとが事典なので、基本用語の解説という体裁をとっているが、通読すれば『生態学入門』として使えるように各項目が書かれている。執筆者は梅棹忠夫、川喜多二郎、川村俊蔵、吉良竜夫。いずれも今西錦司の学統を引く研究者だ。本書は、今西生態学の立場から書かれた生態学のキーワード集である。 生態学は、主体と環境を一つの系(system)と見て、その内でのものとものとの関数的関係を解明する学問である。だが、今西生態学の特徴は、単なる生物学的な生態学にとどまらないところにある。彼らは、人間の生物的側面だけでなく社会的・心理的側面をも統一的に捉える生態学を構想する。 それまでの人間生態学は、気候、景観などの土地系と人間の生産活動との関係にのみ注目し、その類型区分と発展過程を把握することを目標にしていた。だが、はたして人間と環境との活動は、そうした単線的な発展経路をとるのだろうかと著者たちは問いかける。本書では、人間の文化的側面をも生態学的に考察する視点が取られている。それぞれの地域における人々の「生活形」(form of life)の把握を通じて、社会構造や社会の歴史についての統一的理論を考察するべきだというのが、本書の根幹にある思想である。
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もとは百科事典的なものの一部分だそうで、いろんな人の書いた項目が集まって本になっている。kj法の川喜田二郎とか。最後に各項目の執筆者が書いてあるけど、梅棹忠夫の書いた部分はひらがなが多いのですぐに分かる。百科事典だけあって抽象的で、難しかった、よく分からないとこもかなり。でも、索...
もとは百科事典的なものの一部分だそうで、いろんな人の書いた項目が集まって本になっている。kj法の川喜田二郎とか。最後に各項目の執筆者が書いてあるけど、梅棹忠夫の書いた部分はひらがなが多いのですぐに分かる。百科事典だけあって抽象的で、難しかった、よく分からないとこもかなり。でも、索引も充実してるし、あとから読み返すのにはいいかも。こういう分野だと30年以上前のものなんて顧みられないのだろうが、最後の3章くらいが私にとっては示唆に富んでたかな。
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