1,800円以上の注文で送料無料

無実の人々とともに 松川救援から国民救援会へ の商品レビュー

4

1件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2021/07/30

冤罪事件や弾圧事件の救援運動に取り組んできた半生をまとめた書籍である。著者は国労中執委員として下山・三鷹・松川事件を経験し、その後は国民救援会で救援運動に奔走した。 警察の不当捜査への闘いとして、埼玉県警の尾行・張り込みを監視する民間パトロール活動(民パト)の事例がある。「埼玉県...

冤罪事件や弾圧事件の救援運動に取り組んできた半生をまとめた書籍である。著者は国労中執委員として下山・三鷹・松川事件を経験し、その後は国民救援会で救援運動に奔走した。 警察の不当捜査への闘いとして、埼玉県警の尾行・張り込みを監視する民間パトロール活動(民パト)の事例がある。「埼玉県議選での聞き込み捜査では、民パトが訴えると、私服警官は隣町まで逃げて、ほとぼりが冷めたと思って戻ってくると、また民パトをかけた」という。 私は警察の捜査名目での人権侵害が古今を問わず、最も重大な人権侵害と考える。マグナ・カルタ(大憲章)がデュー・プロセスを定め、不当逮捕や財産没収を禁止したように警察権力の規制が法秩序の根幹である。私が出演する日本海賊TV『金八アゴラ』ではアングロサクソン法文化が批判されることがあるが、警察による人権侵害の規制という点では、むしろ日本はアングロサクソン法に学ぶところが大きいと考える。 日本海賊TV「共謀罪(テロ等準備罪)と著作権法」でも指摘したが、警察の捜査権濫用による人権侵害は現行法下で起きていることである。秘密保護法でも共謀罪でも繰り返されたことであるが、新しい法律が制定される時は大騒ぎして反対する左翼的な傾向には疑問がある。それでは個別的な現実の問題に対応できない。その意味で著者の活動は評価に値する。

Posted byブクログ