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ユマニテの人 木下杢太郎とハンセン病 の商品レビュー

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2015/12/11

本書は、国際的視野からハンセン病患者の隔離政策を批判し、化学療法の開発を夢みながらも道半ばで逝った木下杢太郎こと太田正雄の生涯を綴った伝記である。著者は杢太郎が医師として遺した日記や論文を丹念に読み込むことで、〝小鴎外〟と呼ばれた文学者の知られざる実像に迫っている。ハンセン病患者...

本書は、国際的視野からハンセン病患者の隔離政策を批判し、化学療法の開発を夢みながらも道半ばで逝った木下杢太郎こと太田正雄の生涯を綴った伝記である。著者は杢太郎が医師として遺した日記や論文を丹念に読み込むことで、〝小鴎外〟と呼ばれた文学者の知られざる実像に迫っている。ハンセン病患者たちの苦悩を前に、はじめは分離していた芸術と医術が繋がり、〝ユマニテ〟の思想へと溶け合っていく魂の遍歴が感動を呼ぶ。

Posted byブクログ