世界の運命 の商品レビュー

ポールケネディ【著】,山口瑞彦【訳】

2011/09/05

よくもわるくも文系的なコラム集といった体裁。このアメリカ人もアメリカ帝国の終焉とドル基軸の終焉が遅かれ早かれ来ると考えてるんだなぁ。

「人間は自分自身の歴史を作る。だがそれを、自分の好きなように作るわけではない。自ら選択した状況の下で作るのではなく、過去から与えられ伝達された、既に存在する状況の下で作るのだ」という一節を引き、
チャーチルが第二次世界大戦で傑出した役割を果たしたとはいえ、イギリス帝国の没落は止められなかったこと、プーチンがいくら政治家として権力をふるってもアルコール依存症の蔓延や人口構造の衰退を逆転させられないでいることを例証し、
いくらオバマでもなんでもできるわけではないと警告する。日本の政治にもあてはまるだろう。

2011/08/14

中高一貫式のカトリック校で、いかにして明晰な頭で考え、いかにして分かりやすい文章を書くかを毎日教えられた歴史家、ポールケネディのエッセイ集。「欧州は歴史の産物だが、米国は哲学の産物である」（サッチャー女史）という名言がそのまま本になったような一冊。
偉大な指導者は歴史を作るのか、時流に乗っただけなのか？核心的問題を提起しつつも、答えはすでに歴史が証明しているといえるのでしょう。。。