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那須正幹作品集 六年目のクラス会 の商品レビュー

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2021/09/23

ズッコケシリーズが有名な那須正幹さんの短編集。 SF、古代の物語、江戸時代の人情物、ホラー。どれも平凡な人生を懸命に生きる人間の心の機微が書かれています。どれも人間心理は結構怖いです。 核戦争のあと、地下シェルターに閉じこもる家族。無線には誰も答えない。残留放射能値は高いまま...

ズッコケシリーズが有名な那須正幹さんの短編集。 SF、古代の物語、江戸時代の人情物、ホラー。どれも平凡な人生を懸命に生きる人間の心の機微が書かれています。どれも人間心理は結構怖いです。 核戦争のあと、地下シェルターに閉じこもる家族。無線には誰も答えない。残留放射能値は高いままで地上にも出られない。放射能はシェルターの飲水を汚染してママもパパも死んだ。その時無線が少女の声を流す。ぼくはなんとしてもあの子に会いに行こう。たとえ地上で数日しか生きられなくても。見送るようにラジオから聴こえる女性ボーカルの歌声。 ==Don't they know it's the end of the world.カレン・カーペンターっすね。この少年の父と私は同年代っぽい(笑)  /『The End of the World』 太古の一族は、山の麓で長の命令のもと、まじないと掟を守りで生きていた。 狩り獲物が少ない年は上に苦しむ。だが沼辺に映える青い草から実る白い種子。これは彼らの未来を変えられるのだろうか。  /『白い種子』 お民は亭主の卯之助に苦労させられっぱなし。金だけならまだしも、女の家でぽっくり死ぬだなんて!文句を言ってやらないと気がすまない、幽霊を呼び出してやる! ==これは小学生向けとは思えん。お民の心境は大人でこそ分かるような気がする。  /『お民の幽霊』 田中さんには理想のお嫁さん像がありました。若くて美人で優しくて料理がうまくて朗らかな人じゃないとだめです。いくらお見合いしてもそんな人には巡り会えません。そんな田中さんの前に、突然理想通りの女性が現れたのですが…。 ==現実が見えなくて理想に逃げるが、現実に取り残される、実際にいそうだ_| ̄|○  /『田中さんのおよめさん』 地元の中学に上る前に、中学を仕切ってる番長に取り入らざるを得ない息子と、長年働いた会社から首を切られた父親。めだかのこはめだからしくするしかないんだ。 ==これまた閉塞感が溜まらない。  /『めだかはめだからしく』 江戸時代。たたら場では職人頭が跡継ぎ問題に頭を悩ませていた。職人頭はたたら場のなかでは一番身分が上だから、ただの職人なんかに後は継がせられない。だが自分達だって里の百姓よりずっと下に見られてる。 ==組織の長が役目が下の者を差別的に見ているが、自分だって世間からは差別されているし、その狭い世界も崩れる。若者二人といい、なんともやるせない。  /『たたら番子唄』 子供のころの記憶。あれはどこだったのだろう、誰だったのだろう。すると少年は住んでいた町に迷い込んでいった。 ==これはじんわりしんみりといい話。  /『まぼろしの町』 山男の耳に入る笛の音。助けを呼んでいるのか?だが人影はなく。  /『笛』 集まりたくなくても集まることになるんだよ。ぼくを忘れないために。 ==普通の同窓会かと思ったらどことなく違和感が漂い始めて、そして怖いよ。  /『六年目のクラス会』 友達と宝を入れて埋めた箱は台風で流された。そう思っていたのだが、30年後に思わぬ事実が明かされる。 ==騙された怒りを懐かしさと優しさが覆う。大人になった。  /『ガラスのライオン』

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2011/12/22

The End of the Worldが収録されております。 小学生の頃に読んでしばらく眠れませんでした。

Posted byブクログ

2010/10/08

初めて読んだ小学校低学年のときもこの登場人物たちの悪意を「あるよねー」ってぐらいにすんなり受け入れていたんだよな。 この登場人物達もそうで、子供って本当に大人が思うほど純粋でも無垢でも、そして無知でもない。

Posted byブクログ