グローバル時代の宗教間対話 の商品レビュー
日本の宗教学はあまりグローバリゼーションとセットで宗教を語ることをしない、というのが最近とある教授から聞いたお話なのだが(あるいは海外の学者は必要以上にグローバリゼーションを強調しすぎているのかもしれない)、その中では珍しく(?)グローバリゼーションと宗教間対話ということを主題と...
日本の宗教学はあまりグローバリゼーションとセットで宗教を語ることをしない、というのが最近とある教授から聞いたお話なのだが(あるいは海外の学者は必要以上にグローバリゼーションを強調しすぎているのかもしれない)、その中では珍しく(?)グローバリゼーションと宗教間対話ということを主題として本書は扱っている。 とはいえ、全体的なトーンとしては『神々の対話』と同じく、多元主義を保持することができるエリート層を念頭に置いた議論をしている。その観点から見ると、『神々の対話』と異なるのは、多元主義がシンクレティズムを招いて宗教のアイデンティティを崩してしまう可能性について言及しているという点に見出されるだろう。 無論、様々な論者が寄稿しているわけなのでこのようにまとめてしまうのは些か乱暴なのは承知しているけれど、とはいえ宗教間対話の実現というレベルにおいて提出されている回答としては、『神々の対話』の路線を補強するという路線である程度まとまっているなというのが素朴な感想。
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