イカの心を探る の商品レビュー
https://opac.lib.hiroshima-u.ac.jp/iwjs0027opc/BB01960162
Posted by
2011年刊。池田譲先生の一般書デビュー作。 イカの心――イカの脳、社会性、賢さ、アイデンティティ(自己認識と個性)、認知発達――について、研究のエピソードも挟みながら、解説している。イカが「いかに」できるかに圧倒される。 東京育ちで、北大水産学部出身、現在は琉球大教授。北の地で...
2011年刊。池田譲先生の一般書デビュー作。 イカの心――イカの脳、社会性、賢さ、アイデンティティ(自己認識と個性)、認知発達――について、研究のエピソードも挟みながら、解説している。イカが「いかに」できるかに圧倒される。 東京育ちで、北大水産学部出身、現在は琉球大教授。北の地で水産学という門から入り、いつどこでどのようにイカに出会い、その心に出会ったのかも書かれている。生物学や心理学から入ったのでは、イカには出会っていなかったかもしれない。 本書刊行後、タコにも触手(触腕?)を伸ばし、いまや頭足類研究の第一人者。池田譲著『タコの知性』(朝日新書)との併読がおススメ。これでイカ・タコの知識はパーペキ。
Posted by
鏡に映った自分を長い足でそっと突いたり、群れで泳ぐ時は大きい個体が両端にいたり、とユニークな行動からイカの知性の有無を問い、海の霊長類たるイカから頭足類学を提唱する若手研究者の大胆な試みの書。→ 著者、池田譲氏の語り口調が穏やかでとても読みやすかった。 専門的な話も水産学に詳し...
鏡に映った自分を長い足でそっと突いたり、群れで泳ぐ時は大きい個体が両端にいたり、とユニークな行動からイカの知性の有無を問い、海の霊長類たるイカから頭足類学を提唱する若手研究者の大胆な試みの書。→ 著者、池田譲氏の語り口調が穏やかでとても読みやすかった。 専門的な話も水産学に詳しくない者にもわかるような言葉で説明してくれており、イカ以外の身近な例を用いてスッと内容が入ってきた。私的良書。 アオリイカとスルメイカの対比やコウイカの話など、興味深く読む。イカ、すごい。→ 今まで食べる専門だったイカ(煮物にすると旨い)だけど、タコ(たこ焼き旨し)も含めて頭足類のこともっと知りたくなったな。 あと、単純に自分の好きなことを語る人の話は面白いな。 著者、イカのこと本当に好きなんだなぁって伝わったのが一番良かった。飼育してるんだもんな、そりゃそうか。
Posted by
何かの本で、イカやタコは賢いということを読んだ。興味を持ったので、その本で紹介されていた本書を読んでみた。本書は生物学の難しい論文ではなく、一般向けに書かれたものである。難しいところはなく、非常に読みやすい。イカが鏡に写った自分の姿に興味を持ったり、個体を見分ける目と脳を持ってい...
何かの本で、イカやタコは賢いということを読んだ。興味を持ったので、その本で紹介されていた本書を読んでみた。本書は生物学の難しい論文ではなく、一般向けに書かれたものである。難しいところはなく、非常に読みやすい。イカが鏡に写った自分の姿に興味を持ったり、個体を見分ける目と脳を持っていることなど、イカの知られざる面を知ることができた。著書の余話も適切に混じっており、この分野での研究の現場の声を実感こめて語られている。この本を読むと、イカが可愛く見えてしかたなくなる。敬意まで表してしまいそうだ。
Posted by
フランス・ドゥヴァールを2冊ほど読み、『プルーストとイカ』を読んだことでイカがホットな話題であることにようやく気がつく。そんな折に手に取った一冊。 特にイカの鏡像認知の実験の様子を描く「イカのアイデンティティを探る」という挑発的なタイトルの章は、特に読み応えがあり楽しめた。視覚...
フランス・ドゥヴァールを2冊ほど読み、『プルーストとイカ』を読んだことでイカがホットな話題であることにようやく気がつく。そんな折に手に取った一冊。 特にイカの鏡像認知の実験の様子を描く「イカのアイデンティティを探る」という挑発的なタイトルの章は、特に読み応えがあり楽しめた。視覚に頼り、体の大きさに比べて大きな脳を持つイカとタコの生存戦略は人間を含めた霊長類と同じと想像できるが、環境の変化への弱さがこうしたイカの意識の研究を遅らせているというのは知らなかった。 イカに関する知覚や認知についての研究はヨーロッパにリードされているが、もっと活発であってもおかしくはない、という主張はもっとも。 ただこのあたりで遅れている原因は「意識」や「知覚」「認知」という心理学周辺の知識が、日本の研究であまり重要視されていない、不足しているところに原因があるように感じた。 文章はエレガントではないがエクセレント。 ヘリオット先生とかローレンツ風。 https://twitter.com/prigt23/status/1018725350975537152
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
内容情報 [日販MARCより] イカの生物学的基礎知識から、特異に発達した神経系と巨大脳まで、イカのすべてを論じる。そのユニークな行動からイカの知性の有無を問い、海の霊長類たるイカから頭足類学をあらたに提唱する。 [BOOKデータベースより] じっとこちらを見つめるイカのつぶらな瞳。鏡に映った自分にそっと触れるイカの長くて細い足。日本の食卓に欠かせないイカだが、その生態や生活史にはまだまだ謎が多い。産卵場所や赤ちゃんの形、寿命から特異に発達した神経系と巨大脳まで、イカのすべてを明らかにする。そのユニークな行動からイカの知性の有無を問い、海の霊長類たるイカから頭足類学を提唱する。若年研究者の大胆な試みの書。 序章 イカの素性をさぐる 第1章 イカの脳をさぐる 第2章 イカの社会性をさぐる 第3章 イカの賢さをさぐる 第4章 イカのアイデンティティーをさぐる 第5章 イカの赤ちゃん学をさぐる 終章 イカの素顔をさぐる
Posted by
イカについて現在まで分かっている生物学的知見の紹介と,「イカに心はあるのか」という問いに取り組んだ記録. 他の生物の知見から着想を得ながら,イカの知性の性質や発達についての仮説をエレガントな実験デザインで解明していく過程に興奮しました. 頭足類がこんなに面白いことを知りませんでし...
イカについて現在まで分かっている生物学的知見の紹介と,「イカに心はあるのか」という問いに取り組んだ記録. 他の生物の知見から着想を得ながら,イカの知性の性質や発達についての仮説をエレガントな実験デザインで解明していく過程に興奮しました. 頭足類がこんなに面白いことを知りませんでした…
Posted by
イカの味をあまり好まないという理由と、知的好奇心に誘われて読んだ本です。鏡を前にすると、集団の中のイカは自分が映る像を確認するように鏡に触るが、1か月集団から隔離したイカは鏡を前にしてフリーズしてしまう。そして個体によってはストレスのせいか死亡してしまうという結果を知って驚きまし...
イカの味をあまり好まないという理由と、知的好奇心に誘われて読んだ本です。鏡を前にすると、集団の中のイカは自分が映る像を確認するように鏡に触るが、1か月集団から隔離したイカは鏡を前にしてフリーズしてしまう。そして個体によってはストレスのせいか死亡してしまうという結果を知って驚きました。社会的な状態になければ何らかの異常をきたしてしまうような社会的動物にとって、いかに「関わりあい」が重要なのかを改めて知りました。イカが食卓に出た際はしっかり食べてあげようと思いました。
Posted by
イカは機能的な目を持ち、脳では高度な情報処理をしている。進化系統樹から見れば貝類に近く、無脊椎の軟体動物であることを考えれば、これは驚くべきことだ。一昔前は、「イカは人間に匹敵する眼球を持ちながらも、情報を処理する脳がない」などと笑われたものだが、最近は脳の研究も進んでいるらし...
イカは機能的な目を持ち、脳では高度な情報処理をしている。進化系統樹から見れば貝類に近く、無脊椎の軟体動物であることを考えれば、これは驚くべきことだ。一昔前は、「イカは人間に匹敵する眼球を持ちながらも、情報を処理する脳がない」などと笑われたものだが、最近は脳の研究も進んでいるらしい。なにせ、イカほど巨大な軸索をもつ生物はおらず、ニューロンの研究には欠かせない存在なのだ。 イカはある程度社会性があり、学習や記憶もこなし、簡単な意思表示や群れにおけるヒエラルキーの構築なども行うようだ。社会性に欠かせないのが自己と他者の明確な区別であり、鏡を使った実験で「自己意識」があることも証明されているという。 ただ、自己意識を確認したからと言って、それを「心」と捉えてしまうのは飛躍のしすぎだろう。それ以前に、どんな哲学者も科学者も、完璧に「心」を定義できた例はないのだ。 それにしても、アオリイカ釣りに行きたい・・・。
Posted by
まず、イカに心なんてあるはずもない、と思っていたので、このタイトルに度肝を抜かれました。イカやタコって学習能力もあるんですね。 イカに鏡を見せて自己認識をするか、とか、イカのソーシャルネット(!)を観察するとか、イカは他の個体を識別認識しているみたいだ、とか。 よくぞそんなこと...
まず、イカに心なんてあるはずもない、と思っていたので、このタイトルに度肝を抜かれました。イカやタコって学習能力もあるんですね。 イカに鏡を見せて自己認識をするか、とか、イカのソーシャルネット(!)を観察するとか、イカは他の個体を識別認識しているみたいだ、とか。 よくぞそんなこと研究しているなあ、と感心するとともに、「心を持つ」ということが、どういうことなのか、そのとっかかりとして、科学ではこういう研究をしているんだ、というのを知ることができたのが面白かったです。 あと、著者のイカに対する並ならぬ愛を感じました(笑)
Posted by
