魔術師が多すぎる の商品レビュー
産業革命が起こらず「科学」の代わりに「魔術」が発展した いわゆるif世界である1960〜70年代の英仏帝国で、探偵 として活躍するダーシー卿の事件解決を描くという一風 変わったミステリーである。当初、魔術師が出てくる推理 小説と聞き、もっとファンタジー寄りの作品を予想していた の...
産業革命が起こらず「科学」の代わりに「魔術」が発展した いわゆるif世界である1960〜70年代の英仏帝国で、探偵 として活躍するダーシー卿の事件解決を描くという一風 変わったミステリーである。当初、魔術師が出てくる推理 小説と聞き、もっとファンタジー寄りの作品を予想していた のだが、実はその逆で、魔術を一つのガジェットして使い ながら、きちんとした推理小説として完成された作品で あった。もちろん門外漢の私にはこの作品のミステリとして の完成度や魅力度を評価するのはとても難しいことなのだが 魔術を取り込みながら推理小説を書くという、とても一筋縄 ではいかないことを、最初から最後まで破綻することなく きちんと仕上げていることは素人目にもわかる。そして 何より読んでいて楽しいのだから素晴らしい。先が気に なって気になって一日で読み切ってしまった。 これ一冊で済ませる予定だったのだが、予想外に面白かった ので、短編集「魔術師を探せ(こちらは新訳版が出ている)」 に続きます。
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SF+本格ミステリってありなんですね…。1966年発表の作品ということで文章の古さは否めないけど、キャラクターの魅力にクラクラ。ダーシー卿サイコー!
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