老いへの「身辺整理」 の商品レビュー
いずれ、だれもが迎えなければならない終末。 どのような心持で、死を迎えるかを考えておくことは大事なことだと思う。 「身辺整理」となっているが、いわゆるおかたづけの本とは違う。 当然、モノについても、整理していこうとは言っているが、むしろ、心の整理を薦めている。 人生の折り返...
いずれ、だれもが迎えなければならない終末。 どのような心持で、死を迎えるかを考えておくことは大事なことだと思う。 「身辺整理」となっているが、いわゆるおかたづけの本とは違う。 当然、モノについても、整理していこうとは言っているが、むしろ、心の整理を薦めている。 人生の折り返しをどこにおくかは人それぞれだけれど、「そろそろ折り返したな」と思ったころからは、死に方というより、ここからの生き方を考えていこうという。 心の片隅に『死』をおいて、どのような『生』を送っていけるか、いたずらに死を怖れたりせずに、思い残すことのない生き方するために心掛けたい点をあげている。 当たり前といえばいえることなのだが、きちんと考える機会を与えてくれる。 著者の穏やかな文が、とてもいい。 読んでいるうちに、まるで、お寺でお香の中でお参りしているような、お宮の神聖な参道を歩んでいるような、教会で手を合わせてお祈りしているような、静かな気持ちになり、あらためて、自分の生き方について考えてみようという気持ちになった。
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