永樂家京焼の精華 の商品レビュー
永樂家は、茶道具のうち、焼物を手がける家。三千家の用を努める、いわゆる千家十職(せんけじっそく)の1つである。家の始まりが1520年代で、現在十七代目。 古くは土風炉(風炉は主に夏に使用する、釜を掛けて湯を沸かすための炉)を手がけていたが、十代以降は茶陶も製作するようになり、現在...
永樂家は、茶道具のうち、焼物を手がける家。三千家の用を努める、いわゆる千家十職(せんけじっそく)の1つである。家の始まりが1520年代で、現在十七代目。 古くは土風炉(風炉は主に夏に使用する、釜を掛けて湯を沸かすための炉)を手がけていたが、十代以降は茶陶も製作するようになり、現在は主に焼物を扱っているようである。 先日、献茶式というのに行く機会があって、その際のお茶席で、第十六代即全の水指というのを拝見した。源氏五十四帖にちなんで種々製作したうち、「桐壺」にあたるもの。赤絵に金襴。それは豪華で眼を惹いた。これまでも即全作の茶碗等は何度か眼にしたり耳にしたりしたことはあったので、ちょっとまとめて見てみようと本を借りてみた。 前半は永樂家に伝わる代表的な意匠でテーマ分けされた作品群。後半は歴代の略歴や代表作などである。 色絵や交趾、金襴手など、華やかさが印象的。利休の侘び茶から幕末・近代の彩りを好む茶への流れの中で絢爛なものが求められるようになってきたという。多くの客が訪れる大寄せ茶会向けの需要もあったようだ。 十七代続く間には、先代の急逝や茶道衰微の時代、親子の不和など、厳しい時期もあったようだ。茶道家元を始め、資産家の援助が大きかったのだろう。 華やかな道具の数々に眼を惹かれつつ、文化を継承するというのは大変なことだなぁ・・・と嘆息も出るのであった。 *即全が孫娘のために作ったという松竹梅茶箱。絢爛・繊細で美しい。そんな機会は絶対ないだろうが、粗忽な自分はもし使ってよいと言われても怖くて使えません(^^;)。
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