お江戸の結婚 の商品レビュー

菊地ひと美【画・文】

2019/09/23

江戸時代の“結婚”について、詳細に紹介した本。
一　結婚の歴史･･･平安～鎌倉・室町時代。江戸時代以降の変化。
二　江戸の結婚　武家･･･家の継承が大事。制約と儀式の複雑さ。
三　江戸の結婚　商家と農村･･･富商の相続は実力主義。持参金。
　　　　　　　　　　　　　一子相続の農家。ささやかな庶民。
四　お江戸の縁談もろもろ話･･･仲人・見合い・結納・妻の呼び名。
五　出世双六に見る娘の幸せとは？･･･夢の奥女中になるには。
　　　　　　　　　　　　　　武家奉公のための稽古事と女子教育。
六　庶民女房　結婚その後･･･出産・堕胎・離縁・再婚など。
七　お江戸の相続と現代の結婚･･･養子の多さと部屋住の問題。
　　　　　　　　　　　　　　　明治時代以降の結婚の変化。
参考文献有り。
平易な文章と自らの絵により、江戸時代の結婚について詳細に説明。
読み易く、分かり易い内容です。結納品や嫁入り道具、婚礼の
様子等が絵で紹介されているのも良かった。その説明もあります。
子どもの死亡率や病等の死亡が多かった江戸時代、
家の継承、店の存続という一大事に関わる結婚は、家を挙げての
大事業みたいなもの。数日かかる儀礼、一生分の荷物となる
嫁入り道具など、上級武家や富商の結婚のものすごいこと！
反面、質素な平民たち。哀れなのは結婚出来ない者も多かったこと。
江戸時代が舞台の小説の恋愛事が幻と思ってしまうほどの、実態。
現代とはあまりにも異なる“結婚”に驚きの連続でした。
あと、江戸時代の公家の結婚について無いのが、残念。

2013/02/04

帯文："画と文で江戸の結婚のかたちと意味をご紹介します。"　"知ってますかお江戸の結婚模様"

目次：一 結婚の歴史、二 江戸の結婚 武家、三 江戸の結婚 商家と農村、四 お江戸の縁談もろもろ話、五 出世双六に見る娘の幸せとは？ 六 庶民女房 結婚その後、七 お江戸の相続と現代の結婚、あとがき、参考文献一覧