上を向いて歩こう の商品レビュー
本書は、日本人の大部分が知っているであろう、坂本九が歌った名曲、「上を向いて歩こう」についての物語である。 「上を向いて歩こう」は1961年7月21日に開催された「第三回中村八大リサイタル」で、坂本九により初めて歌われた曲である。この時、坂本九はまだ19歳であった。この曲は国内で...
本書は、日本人の大部分が知っているであろう、坂本九が歌った名曲、「上を向いて歩こう」についての物語である。 「上を向いて歩こう」は1961年7月21日に開催された「第三回中村八大リサイタル」で、坂本九により初めて歌われた曲である。この時、坂本九はまだ19歳であった。この曲は国内で大ヒットするが、そればかりではなく、1963年にはアメリカでも大ヒットし、ヒットチャートの1位を数週間に渡ってキープするという快挙を成し遂げる。更には、ヨーロッパの国でもチャートインする。そういう奇跡的な曲であるが、この曲が発表され、また、アメリカでもヒットするには、多くのやはり奇跡的な人の出会いやめぐり合わせがあった。本書は、曲がたどった経緯等を丹念に追いかけたノンフィクションである。 筆者は、「上を向いて歩こう」という曲について、下記のようなストーリーを託している。 【引用】 かつて、抱えきれないほどの悲しみを抱えながらも、歯を食いしばって前を向いて進んでいく、少年のような日本という国があった。 戦後の焼け野原から復興した日本の国が、ようやく世界に肩を並べて、自国の新しい文化を発信できるようになった時に、その役割を託された歌が「上を向いて歩こう」だった。 【引用終わり】 確かにこの歌は、深い悲しみの歌であり、そこから立ち上がろうとする歌だと思う。 本書が発行されたのは、2011年7月、東日本大震災の数か月後のことである。 当時私は海外で勤務していた。もちろん、震災のことは大きな関心事であったが、日本にいなかったがために、知らなかったことも多かったようだ。今回、この本を読んだ後、ネットで「上を向いて歩こう」について調べてみた時、震災の数か月後から、サントリーが、この「上を向いて歩こう」を多くの著名人に歌ってもらうというテレビメッセージCMを流していたことを知った。また、その画像を実際に見てみて、胸が熱くなった。 「抱えきれないほどの大きな悲しみ」を皆で乗り越えていこうという強いメッセージを、この曲は発信できることにあらためて気がついた。
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いつも聞いているpodcastの番組に著者の佐藤剛さんが登場したとき話題になった本なので、気になって手に取ってみました。 坂本九さんの代表曲「上を向いて歩こう」は、奇跡ともいうべき人のつながりにより、フランス、イギリスでのレコード発売を経てアメリカでの全米ヒットチャートで1位...
いつも聞いているpodcastの番組に著者の佐藤剛さんが登場したとき話題になった本なので、気になって手に取ってみました。 坂本九さんの代表曲「上を向いて歩こう」は、奇跡ともいうべき人のつながりにより、フランス、イギリスでのレコード発売を経てアメリカでの全米ヒットチャートで1位、空前絶後の大ヒット達成という道を辿ることとなりました。 その一部始終を描き出したこの著作、戦後の日本音楽界黎明期のドキュメンタリーとしても意義深いものだと思います。
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烏兎の庭 第五部 書評 5.29.16 http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto05/bunsho/689.html
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図書館にて。 青島生まれの中村八大氏。1949年から久留米に住み、明善出身。 <『上を向いて歩こう』はまぎれもなく哀歌、エレジーであった> <そこに絶対的に必要だったものにシンガーの声という「歌う力」>
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由紀さおり「1969」をプロデュースされた佐藤さんが「上を向いて歩こう/スキヤキ」について、紐解いている。 その視点が、日本人による日本語の曲がなぜ世界中に轟いたのか? 坂本九の声、生い立ち、その人となりも重要な要素だったが、永六輔と中村八大とのソングライティングの方法も面白い...
由紀さおり「1969」をプロデュースされた佐藤さんが「上を向いて歩こう/スキヤキ」について、紐解いている。 その視点が、日本人による日本語の曲がなぜ世界中に轟いたのか? 坂本九の声、生い立ち、その人となりも重要な要素だったが、永六輔と中村八大とのソングライティングの方法も面白い。 この先、日本人は世界にどう立ち向かっていくのか?のヒントがここにあるかも?
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「上を向いて歩こう」に関する秘話。 なぜビルボードで一位を獲得したのか、なぜ忌野清志郎は日本のロックンロールと言っていたのか。 様々なエピソードと共に、本書は紹介されています。 311以降。再び“ラジオ”にてリクエストが殺到したのも必然かもしれません。 読み終わったあと、いい本だ...
「上を向いて歩こう」に関する秘話。 なぜビルボードで一位を獲得したのか、なぜ忌野清志郎は日本のロックンロールと言っていたのか。 様々なエピソードと共に、本書は紹介されています。 311以降。再び“ラジオ”にてリクエストが殺到したのも必然かもしれません。 読み終わったあと、いい本だったな〜と素直に思えるのも久しぶりでした。 さすがは佐藤剛さん! 頭が疲れたとき、静かに読むのにおすすめです。
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「上を向いて歩こう」を通じて、戦後の日本の状況、音楽業界の推移がとてもよくわかりました。 ちょうど父親の年代が青春時代を過ごした頃の話になると思います。今度その頃の話を父に聞いてみたくなりました。 また、このような、現代とは異質の情熱があった昭和の時代を思い、今の自分・日本につい...
「上を向いて歩こう」を通じて、戦後の日本の状況、音楽業界の推移がとてもよくわかりました。 ちょうど父親の年代が青春時代を過ごした頃の話になると思います。今度その頃の話を父に聞いてみたくなりました。 また、このような、現代とは異質の情熱があった昭和の時代を思い、今の自分・日本について、考えさせられるいい本だと思います。
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半世紀を過ぎても皆さんに愛され続ける歌「上を向いて歩こう」(SUKIYAKI)の誕生秘話、 坂元九さんの生い立ちも分かり、とても興味が持て、元気が出ました。 【鹿児島大学】ペンネーム:KEN -------------------------------------------...
半世紀を過ぎても皆さんに愛され続ける歌「上を向いて歩こう」(SUKIYAKI)の誕生秘話、 坂元九さんの生い立ちも分かり、とても興味が持て、元気が出ました。 【鹿児島大学】ペンネーム:KEN ------------------------------------------------------------ 鹿大図書館に所蔵がある本です。 〔所蔵情報〕⇒ http://kusv2.lib.kagoshima-u.ac.jp/cgi-bin/opc/opaclinki.cgi?fword=11111039572 -----------------------------------------------------------
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なんと 面白いことだろう! たった一曲の歌「上を向いて歩こう」 の 持つ 「物語」のたまらなく 素敵なこと 何せ 本題の「上を~」がでてくるのが 180頁優にすぎてからなのだけれど それまでで すでに すばらしい! 永六輔さんの帯の言葉 「八大さん!九さん!生き返って下さい。 ...
なんと 面白いことだろう! たった一曲の歌「上を向いて歩こう」 の 持つ 「物語」のたまらなく 素敵なこと 何せ 本題の「上を~」がでてくるのが 180頁優にすぎてからなのだけれど それまでで すでに すばらしい! 永六輔さんの帯の言葉 「八大さん!九さん!生き返って下さい。 この本を読まないなんて 許せません。 一曲の歌がこんなにも 素性を明らかにされるなんて 六輔はこの著者に脱帽です」 本文230p 「思い出す春の日」からは春三月、三池炭坑での労働争議のさなかに暴力団員に刺殺された炭鉱者、久保清、「思い出す夏の日」からは夏六月、機動隊との激突で命を奪われた樺美智子を、「思い出す秋の日」からは秋十月、右翼の少年に刺殺された浅沼稲次郎・社会党委員長を、そして十一月に獄中で自死した犯人の少年、山口二矢のことをも、ぼくは永六輔の詞から想起せずにはいられない。
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スタジオジブリの「熱風」に連載で、発行は岩波書店。 なんか不思議な感じ。 坂本九はボブ・ディランと同じ41年生まれだったことを知る。
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