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梁塵秘抄 の商品レビュー

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2023/10/22

中世あたま(平安時代末期)に後白河上皇が集めた今様集。 基本的な構成は、昭和歌謡風の現代語訳・原文・訳者の解釈やコメントからなるパートが100個。 これは現存している梁塵秘抄の一部を取り出したもので完訳ではない点、出版から10年足らずで訳自体の現代感覚がすでに過去のものになって...

中世あたま(平安時代末期)に後白河上皇が集めた今様集。 基本的な構成は、昭和歌謡風の現代語訳・原文・訳者の解釈やコメントからなるパートが100個。 これは現存している梁塵秘抄の一部を取り出したもので完訳ではない点、出版から10年足らずで訳自体の現代感覚がすでに過去のものになっている(まあ10年ちょっと前のおじさんの感覚と、今の30代の感覚が合うことはない)ことに留意する必要はあるけれど、読んでいて楽しかったから、まあよいし、こういう試みの面白さが、初期の光文社新訳文庫の強みだったとも思うし。

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2024/04/13

(遊女)遊びをするために生まれたのか。戯(たわむ)れをするために生まれたのか。(無心に)遊んでいる子どもの声を聞いていると、自分の心も揺れ動いてしまう。※貴族の前で遊女が演じた歌を集めてまとめたもの。後白河法皇『梁塵秘抄』1180 道長批判。『大鏡』 道長賛美。『栄華物語』 *...

(遊女)遊びをするために生まれたのか。戯(たわむ)れをするために生まれたのか。(無心に)遊んでいる子どもの声を聞いていると、自分の心も揺れ動いてしまう。※貴族の前で遊女が演じた歌を集めてまとめたもの。後白河法皇『梁塵秘抄』1180 道長批判。『大鏡』 道長賛美。『栄華物語』 *平安後期。院政。

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2020/11/14

あなたの 約束 忘れない 信じて 信じて 待っている あなたの 名前を呼ぶだけで ほんとの 幸せ やってくる 誰が歌っている演歌だろうか?いや、そうじゃない。今から900年ほど前、京の都を中心に流行した「今様」という歌謡の歌詞を川村湊さんが今様に訳したものです。 本歌はこうです...

あなたの 約束 忘れない 信じて 信じて 待っている あなたの 名前を呼ぶだけで ほんとの 幸せ やってくる 誰が歌っている演歌だろうか?いや、そうじゃない。今から900年ほど前、京の都を中心に流行した「今様」という歌謡の歌詞を川村湊さんが今様に訳したものです。 本歌はこうです。 阿弥陀仏の誓願ぞ 返す返すも頼もしき ひとたび御名を称うれば 仏になるとぞ説い給う 大嘘じゃないか!百歩ゆずって意訳のし過ぎじゃないか!と思うだろうか?私はそうは思わない。当時、庶民にとっては阿弥陀仏は単なる仏様ではなかった。仏像や歌い手は時にはアイドルそのものだった(参考 五木寛之「親鸞」)。庶民がこの歌を歌うとき、おそらく意味合いは上の歌詞そのものだった、と私は思う。 それにしても素晴らしい訳業だと思う。そのまま、誰か曲をつけて売り出して貰いたいものだと本気で思う。もちろん出来不出来はあります。 また、今から900年前に、既に庶民の間では歌謡曲の条件が揃っていたということが、生き生きとわかる素晴らしい「古典」だと思う。ここでの訳業は全体の1/5も無い。また、歌謡曲だけでなくて、「前口上」「ピン芸人」「風刺」「阿保芸」等々、凡ゆる娯楽の素地が生まれている可能性がある。しかも「梁塵秘抄」はたまたま近代に見つかったもので、全体の一部に過ぎないらしい。ホントの全体像は未だ謎なのです。後白河法皇が、まるで憑かれたようにカラオケボックスに籠っていたのがわかる気がする。録音機が無いのを法皇は残念がっていたが、せめて歌詞だけでも纏めてみたいと思い、精力傾けて編纂したのもわかる気がする。おそらく居たはずのスーパースターの歌声と曲調は如何なものだったのだろうか?庶民文化史の燦然と輝く裾野を見せ、想像させる面白い訳業でした。

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2020/01/25

原文をチラチラ見ながら、大胆に現代歌謡曲の歌詞風に翻案して感性で読ませる斬新なスタイル。ふむ、こうやって移し替えるのか、とニヤリとできる楽しみがあった。肩の凝らない古典でありながら、「遊びをせんとや生まれける・・」は読みようによって、人としての根幹を揺すぶる素朴な力がある。かよう...

原文をチラチラ見ながら、大胆に現代歌謡曲の歌詞風に翻案して感性で読ませる斬新なスタイル。ふむ、こうやって移し替えるのか、とニヤリとできる楽しみがあった。肩の凝らない古典でありながら、「遊びをせんとや生まれける・・」は読みようによって、人としての根幹を揺すぶる素朴な力がある。かようなものを後世に残してくれた後白河法皇の日本文化への貢献は、まっこと素晴らしいです。

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2012/11/18

「一週間のご無沙汰です。歌は時代とともに、時代は歌とともに。神仏讃えるその歌も、恋の謡へと変えましょう。平安時代の流行歌『後白河・歌のアルバム』、古人の思いを言葉にのせて...』そんなナレーションをつけたくなるような、思い切った翻訳の梁塵秘抄です。訳そのものは若干、悪乗りしすぎて...

「一週間のご無沙汰です。歌は時代とともに、時代は歌とともに。神仏讃えるその歌も、恋の謡へと変えましょう。平安時代の流行歌『後白河・歌のアルバム』、古人の思いを言葉にのせて...』そんなナレーションをつけたくなるような、思い切った翻訳の梁塵秘抄です。訳そのものは若干、悪乗りしすぎていたり乱暴な気もしますが、そのままでは硬く身構えてしまいそうな今様を身近に感じさせてくれます。昭和歌謡テイスト溢れるアレンジなので、若い世代には古臭く感じられるかもしれませんが、こういった試みは良いと思います。

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2011/12/15

訳者のあざとさすら感じる意訳に、正直言って楽しめなかった。 中学の頃に読まされた橋本治の桃尻語訳もそうだけど、多分こういうのを受け付けられない気がする。

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2011/10/19

有名ではあるが、「遊びをせんとや」以外の(ここに再録された)詩がイマイチ、かつ、ちょっと洒落て訳そうとした感じの訳も残念な感じ。(よい)原歌と堅い訳があればそれでいいのだが、両方共なかった。。。 まぁ、結構エロいド直球なのもあるんだなってのは面白かったけど 恋い恋いて たまさ...

有名ではあるが、「遊びをせんとや」以外の(ここに再録された)詩がイマイチ、かつ、ちょっと洒落て訳そうとした感じの訳も残念な感じ。(よい)原歌と堅い訳があればそれでいいのだが、両方共なかった。。。 まぁ、結構エロいド直球なのもあるんだなってのは面白かったけど 恋い恋いて たまさかに逢いて寝たる夜の夢は いかが見る さしさしきしと 抱くとこそ見れ

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2011/09/10

遊びをせんとや生まれけん 戯れせんとや生まれけん 遊ぶ子供の声聞けば わが身さえこそゆるがるれ で有名な『梁塵秘抄』の現代意訳付きの文庫。900年前の人間の思考法を知る上において、日本ほど豊かな文献が残っている地域は少ない。そして、苦しみ悲しみ喜びを表現し、生き生きと人生を謳歌...

遊びをせんとや生まれけん 戯れせんとや生まれけん 遊ぶ子供の声聞けば わが身さえこそゆるがるれ で有名な『梁塵秘抄』の現代意訳付きの文庫。900年前の人間の思考法を知る上において、日本ほど豊かな文献が残っている地域は少ない。そして、苦しみ悲しみ喜びを表現し、生き生きと人生を謳歌している日本人の姿を見ると、過去の文献の存在価値がありがたくさえ思えてくる。 原歌380  遊女の好むもの 雑芸 鼓 小端舟  大笠翳(かざし)艫取女(しもとりめ)  男の愛祈る百大夫(ひゃくだゆう) これを読んで見ても人間が進歩したとはとても思えない。日本人の思考法はこの1000年不変なのだ。そういうことを知れるのが古典の面白さであり、偉大さである。 またそれを編纂した後白河法皇に対する興味も沸くというものだ。 本書の評価が☆2に過ぎないのは、意訳があまりに陳腐で古臭いからであり、『梁塵秘抄』の価値を下げるものではない。訳者が昭和歌謡が好きなのはよいが、もう完全に訳者の陳腐なオリジナルと化したポエムを読んで、『梁塵秘抄』の何がわかるというのだろう・・・。正気の沙汰とは思えない。

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2011/07/10

現代語訳されたものがまた新訳で登場していたので、手に取ってみた。かなりの意訳である。 「中世流行歌100選」と言われるとまた斬新な感じがして面白い。 津島佑子「ナラ・レポート」で気になった歌、「恋しとよ君恋しとよゆかしとよ」も入っていて嬉しかった。

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