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地球の論点 の商品レビュー

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19件のお客様レビュー

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2018/11/05

やっぱりノリが雑誌っぽい。薄く広くというか、色んな話題をざーっと順々に眺めていく。副題に「マニフェスト」とあるだけあって一つの思想の宣言なのだが、事実を深く掘り下げてみようというスタンスではない。考え方自体は面白いし共感できるところもあるのだが、個人的には「へー」という感じだけで...

やっぱりノリが雑誌っぽい。薄く広くというか、色んな話題をざーっと順々に眺めていく。副題に「マニフェスト」とあるだけあって一つの思想の宣言なのだが、事実を深く掘り下げてみようというスタンスではない。考え方自体は面白いし共感できるところもあるのだが、個人的には「へー」という感じだけで読み流してしまった。 意味や文の流れが掴みがたい部分もあり、訳がちょっとまずいのではないかと疑っている。IPS細胞の先生が中山伸弥さんになっていたし。。。 ・スラムも住めば都的な所があるとか。たしかに全くの生き地獄ではなかろうが。。。1970年にリオのスラム「ファヴェーラ」で750人にインタビュー(ジャニス・パールマン)。30年後にはスラム一世では5%だった識字率が二世では94%に、三分の二が合法的な地域に引っ越していた。 ・人間が都市にかたまって住むことで環境へのインパクトが低下するし、都市はイノベーションのゆりかごになる。→この点は、そのとおりと思う。田舎暮らしはある種の贅沢。 ・原発推し。廃棄物については短期・中期の仮保管の後に長期の貯蔵法を検討すべきと。→あまりクリアではないと感じた。 ・環境保護にかかわる人は、夢想家、科学者、エンジニアに分かれると。これからはエンジニアの出番。後の地球工学の話につながる。 ・ビョルン・ロンボルグに対しては細部に走りがちだと辛い評価。地球温暖化軽視派だから? ・地球の全体が写った写真を見られるようになったのは、ここ数十年のこと。言われてみれば確かに。 温暖化を防止するための地球工学のアイデアは気宇壮大だが、トライ&エラーが許されない側面がある。エンジニア的発想が適用しにくい領域では。太陽系内で練習するって、そんな時間はなかろうに。

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2018/10/20

180407 中央図書館 普通の環境論とは違って、あるべき論を振りかざさずに、悪く言えば現状容認のスタンスか。

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2014/02/09
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原発問題について考える材料を求めて手にとった。テクノロジーの進歩と環境保護は両立し得るかが個人的な感心である。それに対して筆者は、かけがえのない地球を守るという信念のもと、一貫して技術ベースによる具体的な解決案を提唱し続ける。 印象的だったのは、原子力に関する主張。アメリカでは多額の国家予算を投じて、使用済み核燃料を山中深くに埋め立てる処理施設を建設中らしい。それに対し、 「山を削るのに20兆円かけるくらいなら、発電所の隣に200億円で埋め立てたほうがよい。」という主張をする。(数字は例えであって正確ではない) つまり、世の中は絶えず変化するものであり、変化のスピードは予想をこえる。技術革新の可能性を考慮せずに、現在の価値軸で巨額の予算を投じるよりかは、少ないコストで問題を先送りし、残り予算を技術投資に回した方がいい。むしろ、それで得られる原子力のエコロジカルなメリットのほうが現実に起きている問題(地球温暖化)の解決に寄与するという意味で効用が大きい、という主張だ。 予想が難しい将来の問題について、”今この時間を使って”定義し、解決に当たることが、どれほどのメリットがあるのか。このように、問題に優先順位をつけて解決に当たる方法はエンジニアリングの世界では常套手段であるが、それを環境問題の解決にもあてはめる観点はなるほどな、と思った。 あとは気になった所のメモ。 ・都市化が人口爆発を食い止める。筆者によれば都市に住むことこそ、最もエネルギー効率のよい方法らしい。単純に専有面積で割ればよい話である。都市化こそ浪費のアイコンだと感じていた自分にとっては、これも意外な話だった。 ・緑の革命の功罪。生産量の増加←→土壌破壊 ・世の中の遺伝子のすべて80%近くが遺伝子の配合を行っている。 ・外来種の功罪。在来種が増える、自然環境の回復など、善の側面もあり。 ・介護ロボットの需要増。確かに…。

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2013/02/20

都市化、エネルギー、原発、食料、人口、テクノロジー等々を網羅した1冊。 「都市化はグリーンだ」と言う主張はおそらく正しい。インフラやエネルギー効率を考えるとそうなる。 著者は地球温暖化或いは大幅な気候変動に警鐘を鳴らす。よって原発が現時点ではベターとなる。温暖化対策としては農業廃...

都市化、エネルギー、原発、食料、人口、テクノロジー等々を網羅した1冊。 「都市化はグリーンだ」と言う主張はおそらく正しい。インフラやエネルギー効率を考えるとそうなる。 著者は地球温暖化或いは大幅な気候変動に警鐘を鳴らす。よって原発が現時点ではベターとなる。温暖化対策としては農業廃棄物を炭にして固定化することや、太陽光を反射する物質を成層圏に撒く(火山噴火の効果)など安上がりにできることが有るらしい。福島原発の問題は稼働停止していた原発も同じように事故を起こしたことだと思う。日本では当面天然ガスが増えるはずだが世界的には石炭発電が増える見込みが高い。CO2は置いといても煤塵、重金属、放射性物質などを撒き散らしてるし、炭鉱事故も多い。個人的には脱原発より脱石炭の優先順位が高いと思うが開発途上国のエネルギー事情からは手っ取り早いのは石炭になるだろう。 太陽光、風力はばっさり切られている。エネルギー密度が低いと言うことは面積がいると言うこと。つまり環境負荷は大きくなる。太陽光に関してはピークカットの効果はあるのでスマートシティのモデルで実証実験を進めるのはやった方が良いでしょうね。 「人口爆発はもうすぐ止まる。」これも可能性は高い。農村では子供は労働力なので多い方が有利、実際に子供を売る世界は今でも続いている。生活レベルが上がり都市化が進むと少子化が有利になる。先進国では格差が問題になっているが世界的にはむしろ国家間の格差は縮まっている。 「遺伝子組み換え技術は推進すべきだ。」これもほぼ賛成、と言うかもうこの流れは止まらない。だいたいが遺伝子組み換えは自然界で普通に起こっているし人類は何千年と交配と言う名の遺伝子組み換えをやってきている。新しい技術と言うか自分が理解できない物を反射的に拒否しているだけだろう。大量に農薬を撒く方が悪いのはほぼ間違いないだろう。 100億人が普通の生活をできるようにするには環境負荷を一定に抑えるように科学技術をベースに環境と折り合いをつけるしかないのだろう。

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2013/01/18

スティーヴ・ジョブズがより所とした思想家の本。 ブランドが出した雑誌『Whole Earth Catalog』は、当時のヒッピーにとって最も重要な情報源だったそうだ。 ジョブズの言葉によれば、「紙に書かれたgoogleアース」。 新しいこの本には自然環境保護などの視点があるが、...

スティーヴ・ジョブズがより所とした思想家の本。 ブランドが出した雑誌『Whole Earth Catalog』は、当時のヒッピーにとって最も重要な情報源だったそうだ。 ジョブズの言葉によれば、「紙に書かれたgoogleアース」。 新しいこの本には自然環境保護などの視点があるが、福島の原発事故以後にも関わらず、原発賛成の論調に変化がないのに驚いた。 ようするに、原発にはリスクがあるが、それよりも地球温暖化防止のためには原発は必要、という見方なのらしい。

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2012/12/04

重かったがついに読み終わりました。私はどちらかと言えば予防原則の信者で、化石燃料が地球温暖化に悪いと知っていながら、原発賛成には踏み切れない派です。しかし、この本を読むと、もっと検討の余地があるのではないかと思えます。仮に、原発は正しく管理することができれば安全だ、と言われたら、...

重かったがついに読み終わりました。私はどちらかと言えば予防原則の信者で、化石燃料が地球温暖化に悪いと知っていながら、原発賛成には踏み切れない派です。しかし、この本を読むと、もっと検討の余地があるのではないかと思えます。仮に、原発は正しく管理することができれば安全だ、と言われたら、福島のこともあるし、人間は必ずミスを犯すから、そんな主張には納得できないでしょう。でも、著者が主張するのは、放射能はそもそもそんなに危険じゃない、ということ、また、未来が予測不可能なことを考えて、将来の人類に今の選択を修正する余地があるような政策を決定すること、です。このような手法によって、予測不可能な未来やおきるかもしれないミスをコントロール可能な範囲に持っていくというのは、新しい視点でした。 著者自身が間違いを認め、持論を修正してきたことを告白しているので、まさにその方法論を実践していると言えます。また机上の空論ではなく、自らも国立公園にはびこる外来種を除去しようと戦っているところも、好感が持てました。 今のNGOが本当に環境や人類ために貢献しているのか、この本は単に批判するだけでなく、代案を提示しています。実現可能性やより大きなリスクがないのかは、少し疑問なところもあるし、科学者や専門家でないとわからないところのように思いますが、環境保護や生物多様性、遺伝子工学や宇宙開発を多元的に捉えて、有機的な未来を描いてくれるので、前向きな気持ちになりました。 自分に何ができるか考えさせられる一冊でした。

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2012/08/15

スティーブ・ジョブズがスピーチで引用したことで一躍有名となった「Stay hungry, Stay foolish.」という言葉。しかしこの言葉を生み出したのはこの本の著者である環境活動家・スチュアート・ブランドであることはどれだけ知られているだろうか。そして、著者は本書では遺伝...

スティーブ・ジョブズがスピーチで引用したことで一躍有名となった「Stay hungry, Stay foolish.」という言葉。しかしこの言葉を生み出したのはこの本の著者である環境活動家・スチュアート・ブランドであることはどれだけ知られているだろうか。そして、著者は本書では遺伝子組み換え食品や原子力発電を肯定しているという事実をどのように受け止めるだろうか。もちろん著者はやみくもに転向した訳ではなく、確固たる信念は少しも揺らいでいない。まずは、その思考のプロセスと現実認識の共有から始めてみるとしよう。

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2012/06/22

極めて現実的な環境主義者が書いた、自然と社会の現状レポートと未来への提言。 ここ数年、伐採される面積の50倍もの森林が復活している(国連の報告)なんて知らなかった。 若干楽観的な、かつ端的で分かりやすい、解説書。

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2012/03/29

反核から180度転じて親核になった顛末、遺伝子組換えも科学的に見ればよきこととし、エイモリー・ロビンスの核認識をヤマアラシ的だと断じる。そして予防原則が前進を阻むという。 「情緒」を引っ張り出さないと、論破されてしまいそう。しかし、「森を見て木を見ない」印象が残る。原子力も遺伝子...

反核から180度転じて親核になった顛末、遺伝子組換えも科学的に見ればよきこととし、エイモリー・ロビンスの核認識をヤマアラシ的だと断じる。そして予防原則が前進を阻むという。 「情緒」を引っ張り出さないと、論破されてしまいそう。しかし、「森を見て木を見ない」印象が残る。原子力も遺伝子組換えも、結局アメリカが得意なことなのかな。そういう意味ではないはずだけど。 主張に賛成はしませんが、反原発派の人も、自分に耳あたりのよくない話にも触れておくべき。

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2014/02/22
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※このレビューにはネタバレを含みます

「Stay hungry, Stay foolish」で有名になった本の第二彈。著者の立ち位置は地球環境の維持・人間と自然の共生であって盲目的な自然(グリーン)信仰ではない。 一時は反原発だったと告白しているが、CO2増加による温暖化の進行という「目前に迫った人類最大の脅威」を前に原発推進を必要悪と認めており、それはFukushima以後もぶれていない("Foreign Policy")。 目前の事件に右往左往するのではなく、100年、1000年という長期的視点が今ほど求められるときはないのだが、幼児化した日本の政治・言論・社会環境の中で日本に求めるのはもはや無理な話なのだろうか。

Posted byブクログ