ボーイ・ミーツ・ハート!(1) の商品レビュー
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・学園異能バトル. ・主人公が変態(心音フェチ). ・毒舌ヒロイン. ・変態だけどすごい先輩. ・ラブラブ光線を送るも報われないクラスメイト. そんな感じで.
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所謂ジャケ買いの様な格好(^_^;) これがあるからラノベは怖い。。。絵に釣られて大外れもあり得ますから。 とは言っても端から絵が駄目だと、もうその時点で読む気を削がれてしまうので難しいですね。 イラストは想像を助けるプラスの作用がある一方で、 駄目だと却ってその絵によって想像を抑制されてしまい読書の妨げにもなります。 で、この作品が上の作品の前に読んだもの。既にちらと述べましたね。 会話。 既視感を覚えるのですよね。このやりとり。最近よく見られる掛け合いでしょうね。 色々なネタを会話に鏤めながら、軽妙で愉快且つにやりとさせられる知識欲を擽られると。 但し、これは相当匙加減が難しい手法だと感じます。 その代表格が『化物語』なのでしょう。 阿良々木君を軸に繰り広げられるヒロイン達との会話は、 とても情報量に富んでおり(と言ってもその大半はオタっぽいネタばかりですが)、 それを活かしつつ交わされる会話のテンポ、 その匙加減が実にぎりぎりまで突き詰められていると感じます。 個人的には西尾ファンにはより評価の高いと思われる『戯言シリーズ』よりも 密な計算が感じられて評価が高いです。戯れ言は凄い奴らばかりしかいないと言うのが 私にはどうも却って物足りなく感じさせられるので。 閑話休題。 この作品ではその手の会話を売りにしている部分があるのですが、 どうも西尾氏程の見極める力には至っていないようです。 主人公が突っ込みを入れる姿にどうも笑う気にはなれず、白けますかね、幾分。 物語としても一つの町に限定されてしか発揮されない能力、 町から出ると使えないと言う設定は『サクラダリセット』その侭ですね。 あちらは物語と上手く絡ませ、作品そのものを形成していますが、 こちらはアクションを華やがせる為の道具となっています。 ここらはどことなく『バカとテストと召喚獣』に相通じ、 他の先行作品では『踊る星降るレネシクル』とパターンはとても似ていますね。 文章としては読んでいて『とある魔術~』で感じた様な苛立ちを覚える程ではなかったので、 まぁ、普通の作品なのでしょうか。酷いとは思わなかったものの、 更に続けて読んでみようとまでは思えなかったので、結論としては凡作でしょうかね。
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“(——ああ、そうか) 思い至ってみれば、こんなにも簡単な理由。 それはとっても単純で。 幼稚とさえ、言えるかもしれないけれど。 だけど自分の中では、何よりも正しい答え。 「僕が、彼女に戻ってほしいと思う理由...それは」 征司は一息。 「今よりも昔の狭霧の心音の方が、僕の好みに...
“(——ああ、そうか) 思い至ってみれば、こんなにも簡単な理由。 それはとっても単純で。 幼稚とさえ、言えるかもしれないけれど。 だけど自分の中では、何よりも正しい答え。 「僕が、彼女に戻ってほしいと思う理由...それは」 征司は一息。 「今よりも昔の狭霧の心音の方が、僕の好みにあってるからなんです!」 「お姉ちゃんラリアット!」 「ぐはぁ!?」 容赦なく放たれたラリアットに征司はふっ飛ばされた。 「とばりさん、痛いです!」 「うん、割とガチで叩きつけたからね。......ていうか、さすがのお姉ちゃんもこの空気の中でそう言える征司君にはびっくりだわ」 「ええ、自分でもさすがにこれはないと思ってます」 「本当に今のが理由なの?」 「ええ、偽りのない本心です!」 征司は今世紀最高の笑顔で言い切った。 その顔面に吸い込まれるようにして、今度はとばりの右ストレートがめり込んだ。” なかなか面白いかも。 特に会話のテンポが良くて気持ちいい。 PSYゲームも捻ってあって楽しかった。 “「PSYゲームって楽しいよー。普通のゲームにPSYっていう要素が加わって、もう全然意味の解らない状況になったりして。あ、それとセージ、私のことは君じゃなくて狭霧先輩って呼んでって言ったでしょ」 「同い年なのに先輩は変だとも言ったよ。——まあそれはともかく、PSYゲームなんて最終的には強いPSYで決まるものでしょ?僕はそもそもPSYがまともに操れないし、操れたとしてもそんな強いPSYじゃ」 「このあんぽんたん!」 狭霧の右ストレートが征司の頬にめり込んだ。 「そんなだからミジンコって言われるのよ!」 「僕をそう呼ぶのは君だけだ!」 「私が伝えて回るからすぐに皆ミジンコって呼んでくれるよ!」 「全力で嫌がらせだよねそれ!」 「そんなことはどうでもいいのよ!」 いやどうでもよくないよ、と食い下がろうとした征司だったが、狭霧の強烈な声に吹き飛ばされた。 「PSYゲームはPSYで決まるものじゃない!PSYゲームを決めるのは——心よ!」 「............」 「なにその『うわあ超説得力ないよ』的な顔は」 「惜しい。そこに『しかもなぜかポーズを決めてしたり顔してるし』って付け加えれば完璧だったごめん右ストレートの構えを取らないでくださいお願いします」 「じゃあ左でいくね」 「そういうことを言ってるんじゃないんだけどな」 「右の頬を殴られたら左の頬を差し出しなさいって言うでしょ」 「それは差し出させる方が言っていい台詞じゃないと思うんだ」”
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後書きに書かれていますが、超能力者が自分の能力を駆使して通常のゲームをやったらどうなるか? と言うのが物語作りの根幹にあり、読み合い・策が面白い。 キャラ立てもしっかりとしているが、主人公が心音フェチと言うのがマニアックに過ぎてどうだろう(笑) ラノベ的に主人公に気を持ってくれて...
後書きに書かれていますが、超能力者が自分の能力を駆使して通常のゲームをやったらどうなるか? と言うのが物語作りの根幹にあり、読み合い・策が面白い。 キャラ立てもしっかりとしているが、主人公が心音フェチと言うのがマニアックに過ぎてどうだろう(笑) ラノベ的に主人公に気を持ってくれている空回りしがちなクラスメイトは様式美なのかもしれないが、本作だと気の毒な部類。続きが出るのであれば、彼女の立場改善を切に要望したい。 しかしサブタイトルがどうだろう。内容に則してないとまでは言わないけれど、体を示していない。そこで、読者層を損をしている気がして勿体ない。 しかし、作者さんは間違いなく西尾維新さんが大好きですね。掛け合いの雰囲気とか。ボクも大好きだけれど、引きずられ過ぎている気がする。全体的な雰囲気を借りるならば、オマージュ的な台詞がない方が良いように感じたり。
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