ダンスホール の商品レビュー
「身の上話」以来の作品ということもあり、期待を持ちすぎてしまったのかやや消化不良。この競作小説を読むのはこれで3作品目だけれど、どの作家も片手間にこなしている感がいなめない。 佐藤正午の作品は台詞回しといい、話の展開といい私のツボにどんぴしゃりで何度も読み返してしまう作品もあるが...
「身の上話」以来の作品ということもあり、期待を持ちすぎてしまったのかやや消化不良。この競作小説を読むのはこれで3作品目だけれど、どの作家も片手間にこなしている感がいなめない。 佐藤正午の作品は台詞回しといい、話の展開といい私のツボにどんぴしゃりで何度も読み返してしまう作品もあるがこの作品は残念。 話が散漫過ぎて何がテーマなのか分からなくなってしまった。これも作者の意図するところか。うーん。
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光文社のテーマ競作小説「死様」。こういう趣旨の本は、読む気にさせられるので好きだ。主人公は「小説家の男」と「人探しに来た男」。ある人物の人探しを通じて人々のつながりや関わりを描いた小説。主人公の二人は離れていながら、様々な人により繋がっている。話が淡々と流れるように進み、最小限で...
光文社のテーマ競作小説「死様」。こういう趣旨の本は、読む気にさせられるので好きだ。主人公は「小説家の男」と「人探しに来た男」。ある人物の人探しを通じて人々のつながりや関わりを描いた小説。主人公の二人は離れていながら、様々な人により繋がっている。話が淡々と流れるように進み、最小限でありながら、必要不可欠な言葉たちで構成されている。テーマである「死様」は、主人公の「小説家の男」のことか。主人公の男二人が明暗に別れて象徴されている。物語ラスト、あたかも神の視点で予言を放つ「小説家の男」は、一つの小説家の理想か。
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+++ 四年前、小説家である「私」の身に災難がふりかかる。医者を含めたまわりの人間は、気の病というが、本人には災難としか言いようがなかった。ある日、原稿に向かっていると、不規則な動悸を感じる。ほどなく呼吸が苦しくなり、息を吐くことも吸うことも自由にならない恐怖を覚えた。脂汗をかき...
+++ 四年前、小説家である「私」の身に災難がふりかかる。医者を含めたまわりの人間は、気の病というが、本人には災難としか言いようがなかった。ある日、原稿に向かっていると、不規則な動悸を感じる。ほどなく呼吸が苦しくなり、息を吐くことも吸うことも自由にならない恐怖を覚えた。脂汗をかきながら、床にじっと横たわっているうちに症状はいくぶん抜けていったが、このときから小説書きの仕事が困難になる。十年前に結婚していた。その十年間で付き合う人種は以前と変わってしまっていたが、とくに用のある人間はいない。その交際をすべて絶つ。妻とも離婚。取り壊しの決まっている単身者向けマンションに入居。皮肉にも収入のあてのない独り住まいを始めたあたりから、症状はめったに出なくなっていく。 馴染みのバーで、東京から来たという男と居合わせる。ダンスホールで働いている女を探しているのだと、店主に語った。「私」は、心配してくれている昔の知り合いからある物を受け取るように言われ、その受け渡しの連絡を待っていた。ところが、すぐ近くで発砲事件があり、それが叶わなくなった。 違法な物を巡る「私」の物語と、「私」の想像が膨らんでいく東京から来た男の物語とが巧みに織りなされていく。──誰にも書けなかった、ストーリーテリングな私小説。 +++ 書けなくなった小説家の「私」の物語と、離婚届に判をもらうために妻の同棲相手の妻を探す男の物語が、ふとした事件によって交差し、人の縁と運命のいたずらによって重なり合いながら進んでいく。あるときは掌の上で踊らされているような心持ちになり、またあるときは逃れられない運命を感じる。知らない者同士の二人の男が、こんなに近くて遠い距離感で同じ物語の中にいるのが不思議な心地である。関係性の遠さゆえのもどかしさをも感じさせられるが、遠いと思っているとぐんと近づく瞬間があり、時間とともに伸び縮みしているような一冊である。
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終わってからも、首をかしげてしまうような話でした。 かなり脳内でごちゃまぜにしていたせいで 同一人物だと思っていたせいなのですが。 妻が離婚届けと一緒に持ってきた、もう一つの離婚届。 そのせいで、あちらこちらと走っているのですが こっちの離婚届だして、放置しとけば? とか そう...
終わってからも、首をかしげてしまうような話でした。 かなり脳内でごちゃまぜにしていたせいで 同一人物だと思っていたせいなのですが。 妻が離婚届けと一緒に持ってきた、もう一つの離婚届。 そのせいで、あちらこちらと走っているのですが こっちの離婚届だして、放置しとけば? とか そういうわけにはいかないんでしょうか、やっぱり。 それとも、探すかわりに、養育費は払わないとか そういう約束をしていたのでしょうか? 題名のダンスホール事態、何の事だか分らなかったのですが 最後の方に出てきます。 ダンス『が』出来る空間、ではなくて ダンス『も』できる空間、だったようです。
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書店に並ぶのが待てずAmazonで買ったのに、そのまま。でも、読みだしたら一気に読了。まあ「一気に」は、活字が驚くほど大きいせいもある。目の悪い私にはありがたかった。佐藤正午の本ははずれがないとつくづく思う。(全く…でもないけど。)見返しに「私小説」とあるが、佐藤正午は心を病んだ...
書店に並ぶのが待てずAmazonで買ったのに、そのまま。でも、読みだしたら一気に読了。まあ「一気に」は、活字が驚くほど大きいせいもある。目の悪い私にはありがたかった。佐藤正午の本ははずれがないとつくづく思う。(全く…でもないけど。)見返しに「私小説」とあるが、佐藤正午は心を病んだのか?前作も、今作も話があちこち飛ぶのは病気のせい?と勝手な妄想をしてしまった。
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全くの駄作!しかし、佐藤正午さんはどの本も受け付けないのに読んでしまった。この人のお話は、分かりにくくて面白くないや。
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食堂の待ち時間に読み終わりました。偶然出会ったかのような人々がいろいろ繋がってくる。いいかげんそうな人々なのに伝言ゲームが成立する、まだまだ捨てたもんではない世の中ですね~。
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「死様」競作小説・ダンスホールちょいハードボイルド&ちょいファンタジー。興味を抱かせる登場人物たちが、淡々としすぎてて欲求不満。テーマのいじり方もこれでいいのですか?と未熟な自分を棚に上げ、迷作扱い。この話、もっと煮詰めてエンターテイメントになると素敵だと思いました。
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なんだか込み入っていて、話もあっちに行ったりこっちに行ったり誰が誰なのか分からなくなったりと読みづらかった。結局のところもよく分からないし。要するに月10万あれば人ひとり生きていけるってことなのか。
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