作家と戦争 の商品レビュー
戦争は恐ろしいものだ。ただし、恐ろしい怖いと忌避するだけでは形を変えた(根っこのところでは同じところの)言論統制だったり戦争賛美だったりに自ずと加担することになりかねない。そもそも、恩恵を得ている時点で、わたしたちは加害者なのだ。そのことをよく思い出させてくれるアンソロジーである...
戦争は恐ろしいものだ。ただし、恐ろしい怖いと忌避するだけでは形を変えた(根っこのところでは同じところの)言論統制だったり戦争賛美だったりに自ずと加担することになりかねない。そもそも、恩恵を得ている時点で、わたしたちは加害者なのだ。そのことをよく思い出させてくれるアンソロジーである。アマゾンでの評価は低めで、とっつきにくいというのがその原因のようだが、根気強く読んでいけば、三回目くらいになれば、自分なりにではあるがなにか掴めるように思う。ただ漠然と戦争はいけない、と思っている方々に読んでいただきたい。部分的ではなく、包括的に。論文が鳴らす警鐘を、文学面からも。
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今年12.8は太平洋戦争勃発から70年である。私の母親も70歳となった訳だ。当時の作家は戦争に対してどのような感情を持っていたのか。文筆業であるから、有りのままの文章がそのまま永遠に残されてしまうので、時事に沿った表現が残るのはある意味気の毒ではある。しかしそのときの感情がリアル...
今年12.8は太平洋戦争勃発から70年である。私の母親も70歳となった訳だ。当時の作家は戦争に対してどのような感情を持っていたのか。文筆業であるから、有りのままの文章がそのまま永遠に残されてしまうので、時事に沿った表現が残るのはある意味気の毒ではある。しかしそのときの感情がリアルに伝わるのは重要だ。当然日米戦開戦に興奮する人、怒る人、悲しむ人がいる訳で、それぞれの立場が良いも悪いも無いのである。また、後に敗戦となり、戦時中の言論と比較してずいぶん表現が変化する人もいる。それも仕方の無いことであるし、人間として興味深いものがある。
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