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2018/03/04

1592年4月の豊臣秀吉による朝鮮侵略(壬辰倭乱)において、戦局を転換させる重要な役割を果たしたのが李舜臣将軍の率いる水軍の主力「亀船」だった。  李舜臣将軍と共に海戦に参加した甥の李芬は、「李舜臣行録」の中で亀船について次のように書いている。「亀船の大きさは、板屋船(当時の朝鮮...

1592年4月の豊臣秀吉による朝鮮侵略(壬辰倭乱)において、戦局を転換させる重要な役割を果たしたのが李舜臣将軍の率いる水軍の主力「亀船」だった。  李舜臣将軍と共に海戦に参加した甥の李芬は、「李舜臣行録」の中で亀船について次のように書いている。「亀船の大きさは、板屋船(当時の朝鮮の主力船)とほぼ同じで、上を板でおおい、その板の上には十字型の細道が出来ていて、やっと人が通れるようになっていた。そしてそれ以外は、ことごとく刀錐(刀模様のキリ)をさして、足を踏み入れる余裕もなかった」、「前方には竜頭を作り、その口下には銃口が、竜尾にもまた銃口があった。左右にはそれぞれ6個の銃口があり、船形が亀のようであったので亀船と呼んだ」、「戦闘になると、かや草のむしろを刀錐の上にかぶせてカムフラージュしたので、敵兵がそれとも知らず飛び込むと皆刺って死んだ。また、敵船が亀船を包囲するものなら、左右前後からいっせい砲火でやられた」  「李忠武公全書」(1795年)によると、亀船の構造は底板の長さ14.2メートル、舷板最下第1板20.6メートル、舳板(船尾)上4.4メートル、頭の広さ3.6メートル、最上級第7板34.2メートル、下の広さ3.2メートル、腰の広さ4.4メートル、高さ2.3メートル、尾の広さ3.2メート、厚さ0.12メートルとなっている。 2002年1月のザ・ロープ第27回展示会に来場された韓国の帆船模型同好会Ham会長から当会宛、この「亀船」のキットをプレゼントいただいた。私はちょうどその時、ザ・ロープの奥村氏から亀船の本「亀船」(金在瑾著、桜井健郎訳、文芸社)を紹介されて読んでいる最中だったことから、真っ先に手を挙げ作らせていただくことにしたもの。 キットを見て驚いたのは、船底板にフレーム等を取り付ける位置やセンターラインが、1ミリ程度の深さのレーザーカット(カットではないが)によって記されていることである。同様にフレームにもセンターラインが記されているので、一般のキットのようにわざわざ中心線を描くことも必要ない。またレーザーカットの線は極めて細く綺麗で、かつ正確である。 また説明書はすべてカラー写真で、韓国語、英語、日本語の三カ国語で書かれていた。部品表も丁寧で、小分けにされた部品に添付された部品番号と照らし合わせれば、部品(主として棒材)探しに余計な時間を費やすことも無い。欧米のキットも見習って欲しいところである。木製部品には部品番号の一部に材質を表す記号も付されいる。前出の本によれば、韓国船には松材が多用されたとのことであるが、このキットもほとんどが松材を使っており、嬉しくなる。 韓国製のキットは珍しいが、実際作ってみると非常に良心的なキットであった。

Posted byブクログ