神々の夢永遠(とわ)に 松江に生きて の商品レビュー
月曜日の夜8時から水戸黄門というテレビ番組がある。御老公一行か全国を旅する。悪小役人を成敗してくれる。痛快時代劇だ。上司の命令ひとつで,助さん格さんに立ち向かって,散々峰うちにされてしまう下っ端役人は,見ていてかわいそうだ。助さん格さんは,日ごろの欲求不満を解消するかのごとくちゃ...
月曜日の夜8時から水戸黄門というテレビ番組がある。御老公一行か全国を旅する。悪小役人を成敗してくれる。痛快時代劇だ。上司の命令ひとつで,助さん格さんに立ち向かって,散々峰うちにされてしまう下っ端役人は,見ていてかわいそうだ。助さん格さんは,日ごろの欲求不満を解消するかのごとくちゃんばらをする。御老公が一言「もう,よろしかろう」と言うと,例の御印籠の登場だ。もっと早く出してやれよといいたくなる。 黄門様の裁きも限界がある。幕藩体制そのものや,訪問している国の城主そのもの善悪については言及しない。悪いのはあくまでも出先機関の部長,課長である。そうなった背景の解決はしない。 著書の石倉孝昭は第10代の松江市長。平成元年中海干拓に反対する立場で松江市長選挙に立候補して当選。一期だけ勤めて落選。石倉の夢が実現したのは,平成12年。島根県知事が「中海干拓凍結」を宣言した。 「静かな祈り」という章の中に,島根大学のかかわりが書いてある。学術的研究の成果が大きな役割を果たしたという(p.231)。島根大学はこの中海干拓に関してどういう役割を果たしてきたのか,どういう役割は果たしてこなかったのか,大変関心がある。私の生まれた島根県にある国立大学が何をして,何をしてこなかったのか,いつか調べてみようと思う。島根県にある原子力発電所に対して,島根大学は何をして,何をしてこなかったのか,検証してみたい。
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