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2024/03/13

斎藤緑雨『油地獄』『浮雲』とかもそうだが明治の小説はこういう極端な非モテ勘違い主人公が悲惨な目に遭うパターンが多い。 田村俊子『春の晩』こういう高慢な女の内面をただそのまま小説にしたような話のどこが面白いのかさっぱりわからない。 96/100

Posted byブクログ

2021/03/18

「油地獄」 漢字がかたいので、書き出しからしばらくは読みにくかったが、恋に落ちたあたりから面白くなってきた。 小歌にかけてもらった言葉を、繰り返し繰り替えし思い出して味わうあたりも、微笑ましかった。 不器用で話ができない貞之進との再会のお座敷は、空気は重たくて、読んでいる私まで息...

「油地獄」 漢字がかたいので、書き出しからしばらくは読みにくかったが、恋に落ちたあたりから面白くなってきた。 小歌にかけてもらった言葉を、繰り返し繰り替えし思い出して味わうあたりも、微笑ましかった。 不器用で話ができない貞之進との再会のお座敷は、空気は重たくて、読んでいる私まで息がつまりそうだった。 不器用な初恋、しかもプロを相手の初恋はうまくいくはずがない、と、ヒヤヒヤしながら読んだ。 初恋は囚われやすく、うまくいかず、一番苦しい。 油地獄。 身も心も灼熱に焦げて狂う、そんな感じだ。 「春の晩」 浮気な恋の香りが漂う作品だった。 特に京子は発情のフェロモンを出していて、原さんはもだもだと、残念でした、と思った(笑) 京子に「美しい顔ね」と繰り返す幾重は、私には若さや美しさを吸い取る妖怪のように、どこか気持ち悪く感じられた。 「恋山賤」 美しいお嬢さんに心が惑った万蔵の様子が面白い。 お嬢さん単独での山遊びだったら、面白いとは言えない結果になっていただろうけれど。 文章も美しかった。

Posted byブクログ

2013/02/12
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※このレビューにはネタバレを含みます

斎藤緑雨「油地獄」(1891)。長野から上京し、方角を志す学生が、ふとしたきっかけで芸妓に入れ込んでいく様を描いている。「縁が不思議のものなら、ほれるは一層不思議だ」頭でっかちで、しかし、その方面はとんと弱い若者の心のうちを事細かに描写している。 田村俊子「春の晩」(1914)。「幾重は繁雄の手を自分の方にひいて、男の方へ顔を振り仰向けた。」現代にはないつつましやかな描写が目立つ。その実、小説の内容は、思わぬ方面へ向かう。 尾崎紅葉「恋山賤」(1889)。まるで英語を読んでいるような感覚。字面をおってはみたが、内容が頭に入ってこない文章だった。 全3編を通して、日本語から失われつつある表現、仮名遣いが散見されて、このような言葉を発掘する楽しみを感じながら読めました。

Posted byブクログ