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新しい世界史の見方 の商品レビュー

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2015/10/16

西欧中心的な世界史観を否定し、5つのユーラシア文明―メソポタミア、インド、中国、イスラム、騎馬民族―こそ真に世界史の源であると主張し、世界史の視座を改めようという試み。 タイトルは「新しい」とあるが、本書は40年以上前の著作であることは念頭に置く必要がある。 当時は米露の二大超...

西欧中心的な世界史観を否定し、5つのユーラシア文明―メソポタミア、インド、中国、イスラム、騎馬民族―こそ真に世界史の源であると主張し、世界史の視座を改めようという試み。 タイトルは「新しい」とあるが、本書は40年以上前の著作であることは念頭に置く必要がある。 当時は米露の二大超大国の構図にも翳りが見え、あらゆる分野で「西欧中心の時代は終わった」という風潮が強かった時代であったものと思う。 世界史の分野でも、18~19世紀に確立した西洋中心主義的な世界史観への批判的な議論が盛んになされていた時期にあたるようだ。 いまの世界史が西欧中心史観なのは、ただ単に18世紀以降、西欧が世界に覇権を築いたその時期に、近代的な学問としての歴史学が大成されたからという理由にすぎないのだと思う。 著者自身そう考えているかは述べられてはいないが、著者はとにかく西欧中心史観で世界史を眺めると、偏りやひずみ、解釈に不都合が生じるとし、その根源的理由として、そもそも現代にいたるまでの世界の諸文明に多大な影響をあたえたのは、まず冒頭に挙げた5文明であり、西欧文明はその後に栄えたユーラシア文明の一派にすぎないためだと断じる。 如何にユーラシアの5文明が世界史上に果たした役割が大きいかを説いたうえで、そのような史観に立つことで、従来の歴史を的確に把握できるだけでなく、西欧文明が行き詰まりを見せる現代において進むべき指針を探る縁にもなると主張している。 短い分量に収める必要があったこと、最初から西欧文明を辺境の派生文明と頭ごなしに切り捨ててること、著者自身がもとは物理学者の出であることなどから歴史解釈の議論に感覚的なところが散見されるし、根拠の提示も乏しかったりすることなど、粗い議論であるようには思うが、一つの大づかみな歴史の見方としては勉強になる。 本書が世に出てから40年以上経つとはいえ、いまだに日本の学校教育の場で教えられる世界史は、18~19世紀にドイツで誕生した世界史を基礎にしているのが現実である。学校教育の世界史に興味が持てる人ほど、一読してみてもいいかもしれない。

Posted byブクログ

2019/01/16

[ 内容 ] [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った...

[ 内容 ] [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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