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災害の住宅誌 の商品レビュー

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2011/11/03

【東日本大震災関連・その⑯】 (2011.07.29読了)(2011.07.20借入) 日経新聞・日曜版の読書欄で紹介されていた本です。 地震、津波、洪水、火山の爆発、等で家を壊されたり、立ち入り禁止になったために住居を移さざるを得なかった人たちがどのように住いを替え、生活を替え...

【東日本大震災関連・その⑯】 (2011.07.29読了)(2011.07.20借入) 日経新聞・日曜版の読書欄で紹介されていた本です。 地震、津波、洪水、火山の爆発、等で家を壊されたり、立ち入り禁止になったために住居を移さざるを得なかった人たちがどのように住いを替え、生活を替えて行くのかの調査研究をまとめたものです。 章立ては、以下の通りです。 第1章、常ならざる日本のすまい 第2章、災害とは何か 第3章、世界の災害後のすまい 第4章、災害と移動する人々 第5章、災害と地域の生き残り 第6章、しなやかな「すまい方」 第7章、東日本大震災 資料編、東日本大震災― 一ヶ月後の被災状況 色んな災害があげられています。そんなにいろいろあったかな、と思うのですが、あったんですね。 1923年、関東大震災 1944年、東南海地震 1946年、南海地震 1990年、フィリピン・ピナツボ火山噴火災害 1990年、雲仙普賢岳の噴火(1991年、大火砕流) 1992年、インドネシア・フローレス島の津波災害 1993年、奥尻島津波災害 1995年、阪神・淡路大震災 1999年、トルコ・マルマラ地震災害 2004年、新潟県中越地震 2004年、インド洋地震津波災害 2005年、福岡県西方沖地震 2005年、ハリケーン・カトリーナ災害 2007年、ソロモン諸島津波災害 2008年、中国・四川地震 2009年、インドネシア・パダン地震 2010年、ハイチ地震 ●災害に見舞われた社会の様相(14頁) ・最初の10時間「失検当期」 何が起こったのかがうまく理解できない時期 ・次の100時間「被災地社会の形成期」 ① 家が壊れて住むところがない ② 水・ガス・電気が使えない ③ 電車は止まっている ・1000時間まで「災害ユートピア」 被災地社会の中では、いくらお金を持っていても意味はなく助け合いだけが唯一の生きるすべてなる。災害ユートピアと呼ばれるのは、こういった原始共同社会のような状況を評してのことである。 ●ライフラインの復旧(16頁) 震災から一ヶ月半(1000時間)程度してライフラインが復旧してくると、住まいに被害がなかった人は自宅に戻っていく。避難者数の減少とガス・水道の復旧率には高い相関関係がある。 ●生活再建プロセス(18頁) 阪神・淡路大震災後の仮すまいの姿は、ずっと自宅に留まった人が大多数であり、すまいの移動を行った人の中では、震災当日は、親族の家もしくは避難所で生活し、三日目までは親族の家、避難所、勤務先が用意した住宅で過ごす。そしてライフラインが回復する一カ月を過ぎると多くの人は自宅に戻り、自宅を失った人が親族の家、勤務先が用意した住宅で過ごし、行き場のない人が避難所に残るという姿が見えてくる。 ●元の場所で再建(24頁) 「元の場所で住まいを再建する」という考え方は非常に新しいものである。 (災害に見舞われた人々はすまいの移動を余儀なくされる。一度災害に見舞われると決して災害前とは同じまちに再建されることはない。) ●地震発生地帯(28頁) 大きな地震が発生するのは南北アメリカの西海岸・日本・台湾・フィリピン・インドネシア・ニュージーランドといった環太平洋地域の国々、インド・ネパール・イラン・トルコ・イタリアといったヒマラヤ~アルプスにかけての地域の国々に限られている。 ●津波からの復興(105頁) 津波災害からの復興では、直後は集落を内陸へ移動するが、しばらくすると再び海岸部へ戻るという事例がよく見られる。 (2011年8月4日・記)

Posted byブクログ