倉俣史朗のデザイン の商品レビュー
あまり多くを語らない倉俣だからこそ色々な読み方ができるのかもしれない あとがきによると1997年から2004年までの連載に加筆した論考らしい 前半はやや衒学的かつ挑戦的な言葉使いが気になった 後半は文章が明らかに平易になっており、ミスブランチの解説はクライマックスに相応しいほど...
あまり多くを語らない倉俣だからこそ色々な読み方ができるのかもしれない あとがきによると1997年から2004年までの連載に加筆した論考らしい 前半はやや衒学的かつ挑戦的な言葉使いが気になった 後半は文章が明らかに平易になっており、ミスブランチの解説はクライマックスに相応しいほど饒舌 前半の論考を咀嚼できない己の未熟さに辟易させられる
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「ミス・ブランチ」 分厚い透明アクリルに薔薇の造花を埋め込んだ椅子。 1988年、東京デザイナーズウィーク「KAGU」展。テーマは「欲望」。 映画「欲望という名の列車」。元の題名「月光の中のブランチのイス」。 ブランチはその主人公。 倉俣の作品は、多くは、実在性を消...
「ミス・ブランチ」 分厚い透明アクリルに薔薇の造花を埋め込んだ椅子。 1988年、東京デザイナーズウィーク「KAGU」展。テーマは「欲望」。 映画「欲望という名の列車」。元の題名「月光の中のブランチのイス」。 ブランチはその主人公。 倉俣の作品は、多くは、実在性を消去。機能性に重心を置いていない。 そこに存在するだけでいい。 この書籍、倉俣作品の解説書だが、肝心の作品が半数は載っていない。 乗っていても、モノクロ写真。 解説というより、デザイナー川崎和男の思い入れの強い説明過剰な解釈書。 そこまで深く追求しないでほしいとも感じる。 実在性がない透明で幾何学的なカタチ。 宙を舞う、時が止まった造花の薔薇。 死相感が漂う。 若くして晩年の作品。 なお、小説『かたちだけの愛』の義足のアイデアの元にもなっている。
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