トイレが大変! 阪神・淡路大震災と新潟県中越大震災の教訓 増補版 の商品レビュー
大地震が来た!そのときにトイレをどう確保するか?ある意味で食べ物や水以上に重要な問題を阪神・淡路大震災と新潟県中越地震の教訓から記録・考察をしたものです。あけすけもない話に寒気を覚えました。 2011年3月11日。僕も震災があったときは友人とある避難施設に行きました。幸いにして...
大地震が来た!そのときにトイレをどう確保するか?ある意味で食べ物や水以上に重要な問題を阪神・淡路大震災と新潟県中越地震の教訓から記録・考察をしたものです。あけすけもない話に寒気を覚えました。 2011年3月11日。僕も震災があったときは友人とある避難施設に行きました。幸いにしてそこは電気や水道や下水などのインフラにはまったく問題がなかったので、炊き出しのおにぎりやお弁当なども出て、大変良くしていただいたことを覚えておきます。しかし、トイレやごみ置き場には使用後のおむつが大量に捨ててあったことをこの本を読みながら思い出し、これで下水がダメになってトイレが使えなくなったらどうなっていたんだろうかとそら恐ろしくなってしまいました。 ここでは、 都市型マルチ災害だった阪神・淡路大震災、都市生活機能を備えた中山間部災害の新潟県中越大震災。この二つの震災後に発生したトイレに関する混乱がいったいどのようなものであったかを記録、考察し、国民一人ひとりの災害トイレ対応のあり方を問い直し、災害時のトイレ対策の箍を締め直すというもので、僕は寡聞にして知らないのですが、「3・11」直後の被災地でのトイレ事情はいったいどのようなものだったのでしょうか? それはさておき、阪神・淡路大震災と新潟県中越大地震。ここに記録されているトイレの混乱というのは「排泄」と生物の生理的なものであり、また、「トイレ」という最もプライバシーに近いものが一度混乱をきたすようになると、食べるものがない、飲むものがない、ということに匹敵、あるいはそれ以上のものだということがつくづく理解できました。マンホールトイレや仮設トイレが糞便やゴミで「てんこ盛り」状態となり、あるいは側溝などに無秩序に排泄したものがたまり、異臭と不衛生な環境になっていく…。この辺は本当に恐ろしいものでした。 さらには、こういったことでストレスがたまっていったり、「車中泊」による「エコノミークラス症候群」の話や、さらにはさかのぼって関東大震災当時のトイレ混乱状態の劣悪さが記されてあって、「災害時のトイレ確保」というものが以下に大事かということがよくわかりました。あまりこういった問題は(僕が知る限り)報道されないので、ここに書かれていることは本当に貴重な記録であるとともに、「次の震災」のときに神戸と新潟、そして「3・11」の教訓が少しでも生かされればと、そんなことを願ってやみません
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