なぜ伝わらない、その日本語 の商品レビュー
岩波書店のこのシリーズは気に入っているのですが、残念でした。 ダメな文章の例を取り上げて、こんな風に改善したらどうか、と提案していきます。 しかし、そこで改善されているのは日本語の使い方ではありません。 たとえば、<第2駐車場の案内>の問題は、それを掲示した<場所>にある、な...
岩波書店のこのシリーズは気に入っているのですが、残念でした。 ダメな文章の例を取り上げて、こんな風に改善したらどうか、と提案していきます。 しかし、そこで改善されているのは日本語の使い方ではありません。 たとえば、<第2駐車場の案内>の問題は、それを掲示した<場所>にある、など。 あとがき読んで、なんだか納得。 著者のウェブサイトにある「幻のあとがき」を読んで、もっと納得。http://www.lc.osakafu-u.ac.jp/staff/noda/HISASHI/nd_hisashi-ronbun.htm 序章では、 ▼−−−− (1) 相手の状況を考えていない ・相手がどんな情報を求めているか? ⇒ 第1章 ・相手が何を知っているか? ⇒ 第2章 ・相手がどんな人であるか? ⇒ 第3章 (2) 相手の反応を予想していない ・相手がどんな返答をするか? ⇒ 第4章 ・相手がどんな行動をするか? ⇒ 第5章 ・相手がどんな気持ちになるか? ⇒ 第6章 (3) 相手に伝える工夫をしていない ・相手に読んでもらう工夫 ⇒ 第7章 ・相手に見つけてもらう工夫 ⇒ 第8章 ・相手に誤解を与えない工夫 ⇒ 第9章 ▲−−− こんな風に書かれており、科学的に論じられていくのかと思いましたが、読み進めるうちに、著者の愚痴としか思えなくなりました。 本のタイトルと主題がずれていると思います。 ・ことばを尽くすこと ・体裁を整えること こんな当たり前のことに200ページも割くとは…。 ことあるごとにメーリングリストのことを話題にするところ (送信者だけに返信すればよいものをみんなに送るな、と) が面倒でした。 そんなの自分がかかわる学生に諭せばよいのであり、 世界中で行われているでしょう。 著者がこの本に取り上げたところで、なくなるわけがありません。 瑣末なことに目を奪われている。 「日本語」の話をもっと「科学的に」してほしかったです。
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