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人間と意味の解体 現象学・構造主義・デリダ の商品レビュー

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2019/08/04

『グラマとロジーについて』を中心に、初期のデリダの思想を読み解き、そこで「人間」と「意味」を解体するという試みがなされていたことが明らかにされています。 本書のサブタイトルは「現象学・構造主義・デリダ」となっていますが、とくにフッサールやハイデガー、サルトル、メルロ=ポンティと...

『グラマとロジーについて』を中心に、初期のデリダの思想を読み解き、そこで「人間」と「意味」を解体するという試みがなされていたことが明らかにされています。 本書のサブタイトルは「現象学・構造主義・デリダ」となっていますが、とくにフッサールやハイデガー、サルトル、メルロ=ポンティといった現象学の立場との比較を通じて、デリダの思想の意義を明らかにすることが本書の主要なテーマとなっています。一部「人間」の解体においてフーコーの議論がとりあげられていますが、構造主義からデリダのポスト構造主義への移行の意味にかんする議論は見られず、その点はすこし残念に感じました。 メルロ=ポンティの言語論における「両義性」とデリダの「脱構築」の根本的な差異についての比較的詳細な検討がおこなわれており、興味深く読みました。また、本書の「付録」として、フッサールの『幾何学の起源』に対するデリダの批判の内容がていねいに紹介されていますが、こちらでもメルロ=ポンティによるフッサールの乗り越えと、デリダのそれとのちがいがクリアに説き明かされています。

Posted byブクログ