愉しき放浪児 改訳 の商品レビュー
1826年作。「のらくらもの」(だったかな)といった邦題で訳出されたこともありますね。叙情的で朗らかな雰囲気にみちたこの作品は、タイトルだけで手に取ったとして、読者を暗澹たる気持ちにはさせないでしょう。「あなたからアイヒェンドルフという名を聞くなんて」と言われたことがありますが、...
1826年作。「のらくらもの」(だったかな)といった邦題で訳出されたこともありますね。叙情的で朗らかな雰囲気にみちたこの作品は、タイトルだけで手に取ったとして、読者を暗澹たる気持ちにはさせないでしょう。「あなたからアイヒェンドルフという名を聞くなんて」と言われたことがありますが、当時は岩波文庫所収のものは、かなり手に入れたのですよ(赤帯に偏っているけれど)。お昼ご飯を節約して買うには文庫しかなかったし、その頃はまだ「岩波ならあるレベルは越えているだろう」という安心(信仰?)があったからです。総じて、そのことに大きな後悔はしていません。殊にあっというまに入手困難なものも増えましたしね。ここいらを踏まえていて新訳に臨めば、私なりの受け止め方、褒め方(逆もまた)もできるというものです。
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後期ロマン派を代表する作家。田舎の青年がバイオリン片手に放浪の旅に出るお話。軽快な文章と爽やかな自然描写、嫌みのないユーモアで、非常にさくさく読める良作。また、話の構成としても、作中の様々な不可思議な現象が、最後の最後ですべて一本の筋に収束していく筋運びは巧妙。 分量も130ペー...
後期ロマン派を代表する作家。田舎の青年がバイオリン片手に放浪の旅に出るお話。軽快な文章と爽やかな自然描写、嫌みのないユーモアで、非常にさくさく読める良作。また、話の構成としても、作中の様々な不可思議な現象が、最後の最後ですべて一本の筋に収束していく筋運びは巧妙。 分量も130ページと短く、気軽に心地いい読書時間を得ることができる。
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