太陽の坐る場所 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
辻村深月さんの『太陽の座る場所』を読みました。自分の居場所やプライドなど、多くの人が学生時代に経験したであろう感情や言動を、複数の登場人物の外面、内面から見せていく内容です。ただ1回目に読んだときにはクライマックスに近づくにつれ「あれっ??」と、内容をしっかり理解できませんでした。理由は、響子と今日子、キョウコ、りんちゃんなど。名前が同じ人物が複数登場するに加え、あだ名で呼ばれていたりするからです。ただ、もう一度読むと特段難しくなく。今日子と響子という2人のヒロインを軸に、先述した青春時代ならびに社会人になってからの葛藤や気づき、立ち直りまでを描いた作品であることが、さらりと腹落ちしました。いい、悪いにしろ、自分をしっかりと持っている。太陽のように輝いている人は、人への影響が大きいこと。天照大神が洞窟に隠れた神話に重ねているあたりも、小説家の人の想像力や発想はすごいと、改めて感じました。映画化もされているようなので、見てみようと思います。
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辻村深月らしさ満載の作品でした。 ストーリーへの引き込み方がエグい。登場人物を敢えて各章の見出しにせず、出席番号で惑わせていく。わかりづらいなと思っていたら、後々になって色んな面白みが出てくる。ただ、最後はダレるかな。 学生時代のカースト、当時の人気者、有名になったあいつ、同窓会...
辻村深月らしさ満載の作品でした。 ストーリーへの引き込み方がエグい。登場人物を敢えて各章の見出しにせず、出席番号で惑わせていく。わかりづらいなと思っていたら、後々になって色んな面白みが出てくる。ただ、最後はダレるかな。 学生時代のカースト、当時の人気者、有名になったあいつ、同窓会の鬱陶しさなどなど、自分の周りにいる人物に置き換えたりしながら読んでたら、何だか笑けてきました。ゲスゲスしてて良かったです笑
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解説に書かれているように、先生や保護者がほとんど登場人物としては出てこないところが、「世間を見渡せばいろんな居場所がある」とは分からない学生という形に構成されているのかなと思えた。個人的には「そっちのやり方だと生きづらいのであれば、こっちの生き方で過ごせればいいや」くらいの切替で...
解説に書かれているように、先生や保護者がほとんど登場人物としては出てこないところが、「世間を見渡せばいろんな居場所がある」とは分からない学生という形に構成されているのかなと思えた。個人的には「そっちのやり方だと生きづらいのであれば、こっちの生き方で過ごせればいいや」くらいの切替で学生生活を過ごしていたので、登場人物たちの教室に心が縛られている感覚を完全に理解することはできなかったけれども、想像してみるとそうなんだろうなとなるところはあった。それぞれの人物たちがハッピーエンドを迎えたのかは想像で補うしかなさそうだったが、しがらみから解放された人がそれなりにいたのではとは思う。
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ぬぇー面白かった。 同窓会に来ない女優きょうこさん。 周りの同窓生は有名人であるきょうこさんを同窓会に参加させようと画策する。 天岩戸に閉じこもるアマテラスと、アマテラスを出そうと奮闘する周りの神様。アマテラスが閉じこもることにより光が入らなくなった世界。 神話になぞらえられて、...
ぬぇー面白かった。 同窓会に来ない女優きょうこさん。 周りの同窓生は有名人であるきょうこさんを同窓会に参加させようと画策する。 天岩戸に閉じこもるアマテラスと、アマテラスを出そうと奮闘する周りの神様。アマテラスが閉じこもることにより光が入らなくなった世界。 神話になぞらえられて、それぞれの思い出や記憶や愛や妬みや嫉妬がうずまく。 みんなそれぞれ、同じ場でもいろんな景色を見て、思い出に残っている。ひとりひとりが良くも悪くも主人公。地方の高校という、狭い狭い世界。でもそこに通っている生徒にとっては、そこが毎日の大きな大きな世界。その中での争いやカースト、苦しさ、妬み、恐れ、罪悪感。そして愛や優しさや自分らしさ。全部全部描かれてて辻村深月すごい。 久しぶりにこういう辻村深月読んだから忘れてたけど、ちゃんと仕掛けも忘れないところが好きだ。久しぶりにヌオオッってなりました。ありがとう。 女優きょうこさんは、意外に閉じこもってるわけじゃなかった。勝手な周りが思い込んでることって、本当に勝手で。その人は自分の人生をただただ生きているだけだ。人の噂で勝手に盛り上がる人たちはすごく下世話で、でもそんなことも全然あるよな世の中。叶わない恋や、代替品や、かけがえのないもの。忘れない思い出。罪の意識や、そこからの再生。誰もが経験したことのある、苦い記憶を真正面から描けててすごい。
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蓋をして、できる限り見て見ぬふりをしていたい汚い感情が、真正面から描写されていてドキリとしました。 20代後半になっても未だに教室に囚われている登場人物たちが、その感情とどのように向き合い変化していくのか…… 心理描写が見事で、最後まで一気に読み終えました。
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途中までは面白かったが、後半下降気味というか。スクールカーストのない学校だったから、なぜにそこまで足の引っ張り合いをするのか意味がわからず…でした
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全員嫌いまである メンヘラえぐい それがくそリアル 20代のうちに読みたいと思って20代ラスト2日間で読み切りました。読書苦手だった自分の最速読了でした。
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登場人物それぞれが縛られていたものから自立していくが、あの人だけは自立することが中々できなかった。だが、最後救いの手が差し伸べられることは良かったと思う。 この頃は皆様々なことで悩み、苦しみ、闘う。だから、囚われる必要はない。この本はこのようなことを伝えようとしていると思う。
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スクールカーストって誰もが体験してることをリアルに描いてて怖いくらい。キョウコの仕掛けがわかったらもう一度読み返したくなる!
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