トーキョー・ストレンジャー の商品レビュー
トーキョーの街を訪れながら、そこから姜尚中さんが思うことをエッセイにした本です。社会的なことが多くてちょっと硬い印象ですが、フォーシーズンズホテルのページでは、旅は映画や絵画を見る感覚とは違った、純粋に「見る人」になることで、普段見えないものが見えてくる、といった視点で書かれたも...
トーキョーの街を訪れながら、そこから姜尚中さんが思うことをエッセイにした本です。社会的なことが多くてちょっと硬い印象ですが、フォーシーズンズホテルのページでは、旅は映画や絵画を見る感覚とは違った、純粋に「見る人」になることで、普段見えないものが見えてくる、といった視点で書かれたものもありなかなか楽しめました。 それとは別に、どんな場所でも彼の飄々とた様子の写真が載っていてこれも楽しめました(笑)
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姜尚中が、東京のあちこちを訪れて語る連載をまとめたもの。あの声で再現される文章。ネコカフェで猫に囲まれているのが、はげしくうらやましい。
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姜尚中が東京のスポットを巡りながら日本に想いを馳せる大人な感じの本。 自分自身を鳥瞰するには、自分をも引いて見ることができる精神的な幅が必要。つまり「大人」として自分が引き受けたものと一定の距離をおくのが必要だそうだ。深ェ~! 最近あちこちに溢れてるような「男の作法」的な本よ...
姜尚中が東京のスポットを巡りながら日本に想いを馳せる大人な感じの本。 自分自身を鳥瞰するには、自分をも引いて見ることができる精神的な幅が必要。つまり「大人」として自分が引き受けたものと一定の距離をおくのが必要だそうだ。深ェ~! 最近あちこちに溢れてるような「男の作法」的な本よりはずっと役に立ちそう。 ただ、読んでるとどうしてもあのウィスパーボイスを思い出して眠気が襲ってくるため、ページが全然進まない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
谷崎潤一郎の「秘密」という作品。 「知らないと思った町が実は自分が住み慣れた町のすぐ近くだった」というオチが物語の中で使われている。 この物語の舞台も東京なんだよ。 風景や町並ですぐに分かりそうだと思うよね。 けど、東京の町は数多くの人の欲望や思惑などをコンクリートや木材に練り込んで建築物を作り、コラージュしている。だから通りや川を一つ越えただけで世界が丸っ切り変わってしまう事も有り得る。 この本は姜尚中さんのフィールドワークを基に書かれている。 しながわ水族館からみる監視社会、猫カフェにみる脱欲望化の社会…東京の中に増え続ける新世界からトーキョーを読み解こうとする、姜尚中という異邦人。 だが、読んでいるうちに果たして姜尚中が異邦人なのか、読んでいる自分が異邦人なのか、分からなくなって来る。 新しい発見に富んだ本で面白かったです。1300円でこんな体験が出来るなら安いもんです。
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個人的に、観光地としての「東京」は評価していない。 というの都心に代表されるように高層ビルが立ち並ぶ景観に文化的な価値を感じ無いし、例えばパリの凱旋門を見たような圧倒感に立たされることもないからだと思う。 しかし姜さんはこのような僕が全く興味が沸かない場所に赴いて、そこの歴史や...
個人的に、観光地としての「東京」は評価していない。 というの都心に代表されるように高層ビルが立ち並ぶ景観に文化的な価値を感じ無いし、例えばパリの凱旋門を見たような圧倒感に立たされることもないからだと思う。 しかし姜さんはこのような僕が全く興味が沸かない場所に赴いて、そこの歴史や文化的側面から現代の人々や国家の言行に繋げることで登場する所々の価値や存在の意味を問き、考察している。 これこそが「知的な」街の歩き方なんだな、と。こういう風に観光をすればただその場所を訪れ、歩くよりも何倍も有意義な時間を過ごすことができるしそこから得られることも多い。 そしてそこから自分達が生きる「現在の世界」を見直すことができるのだろう。 無性に東京を歩きたくなった。僕がこう思えただけ、この本には価値があるということだろう。
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最後の章の「基本的に東京では住民が『消費者』として扱われているからです。私達もその役割にすっかり慣れきっていますが、そこから一歩踏み出す事が必要なのではないでしょうか。」が印象的。東京を切り口に、現代社会のアレコレを考える本。発想とか、参考になる部分多し。
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回送先:府中市立紅葉丘図書館 東京という都市をめぐる議論というのは、時として世代による視野の狭さを露呈させることがある(評者が都市社会学の知見を時として邪険にするのは、自らの属していると考える世代の大いなるひけらかしに成り下がったからというのもある)。 そうしたなかで、本書は...
回送先:府中市立紅葉丘図書館 東京という都市をめぐる議論というのは、時として世代による視野の狭さを露呈させることがある(評者が都市社会学の知見を時として邪険にするのは、自らの属していると考える世代の大いなるひけらかしに成り下がったからというのもある)。 そうしたなかで、本書は東京という都市のごくごくありふれた街角を切り取ることで、何を見つけることができ得るのかについて仔細な検討を試みた一冊だといえる。確かに姜尚中のネームバリューが大きくなりすぎているがために、そのような検討を詳細に追いかけるのは困難であるかもしれない。しかし、姜自身が言うように「都市では誰もが異邦人(あるいはジャック・アタリになぞらえて遊牧民と言ってもいいだろう)」であり、その巨大な病院である東京という都市の観点から眺めたとき、見えてくるものがあるかもしれない。 そう、東京は巨大な入院病棟なのだ。本書では登場しないがコミケ参加者が有明の癌研有明病院を見る視線はそっくりそのまま姜尚中の言葉に意訳され、なおかつ中和された格好で私たちをも捕らえ直しているということになるともいえるのだ。
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