暗い傾斜 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
株価を操作した疑いをかけられ窮地に立たさせれた女社長と社員は、室戸岬で無理心中します。 その頃、東京では会社の大株主が殺害され、九死に一生を得た女社長が疑われます。 各キャラの心理描写と仕掛けが秀逸な作品です。心理的な要素で読者の盲点を突くのはよく目にしますが、心理そのもので人を殺すという作例はこれまで読んだことがなく、独創的で非常に興味深いものでした。 微妙な出来の電話トリックやご都合主義な展開はマイナスですが、一読の価値は十分にあると思います。
Posted by
古本屋にて購入。前々から探していたので多少の汚れは我慢してページを開く。実はトリックは知っていたので驚きは少なくなってしまったが、それを解明していくプロセスは見事と言うしかなかった。この手の心理トリックはそんなうまくいかないだろうと突っ込みたくなる場合が多いのだが、張られた伏線を...
古本屋にて購入。前々から探していたので多少の汚れは我慢してページを開く。実はトリックは知っていたので驚きは少なくなってしまったが、それを解明していくプロセスは見事と言うしかなかった。この手の心理トリックはそんなうまくいかないだろうと突っ込みたくなる場合が多いのだが、張られた伏線を解いていくにつれ、説得力がどんどん強固なものになっていく。そんな伏線の張り方はお見事。古臭い感じがしたのは仕方ないか。笹沢佐保はもう少し読んでみたいのだが、残念ながら絶版が多くて苦労する。
Posted by
- 1