背徳のマリア(上) の商品レビュー
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抱いたのは「恋」、恋がどんどん大きくなって「愛」になったのに、秘めなければならない辛さから「苦しみの愛」になる。さらなる思いが「執着愛」となり、全てを変えてでも叶えたい「狂喜の愛」に。 届いた愛は「純愛」そのもの。 命を産み出せない「性」だから、命を産み出すことに執着したのか。 絶対的な繋がり、永久的な間柄の存続を欲したための命だったのか。 誰もに受け入れられない関係ではなく、誰もが認める関係だったら良かったのか。 背徳のマリア下 へ続く
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いやいやいや、ちょっと待て…と突っ込み入れたくなる箇所が多々ありまして…。受け…怖い。唯一読めたのが、濃いHシーンくらい。類をみない超展開…救いようが無い。 偽装自殺、死体遺棄、性転換、輪姦、セルフ受胎手術(グロい)、また性転換、障害…。執着受けってこんなんなん。女の身体になったとたん暴走しまくりで、置いてきぼり感半端ない…。てか、攻めより安藤さんの方が頑張ってるし主要人物だよねぇ。 終始、頼むから行動に出る前に攻めに聞いてみようよ…!と叫びたくなる展開でした。
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巻末収録の「背徳のマリア 追慕」の、彰の圭介に対する親友以上の恋慕の描写が物凄く切ない。その切なさがあってこその所業だ、と言うのは、これを読むとじわじわと感じられてくる。
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綺月さんの作品でいわゆる王道ものと呼ばれるようなものを読んだことがないのですが、すごい人なんだなと改めて思いました。 デビュー作からこれって…。想像力の豊かさに脱帽です。 男と男の恋愛における一番の悩みであり、そしてそれと同時に男同士の恋愛だからこそ味わえる内容ですよね。良かったです。 下巻も楽しみです。
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BL界にはままある「もしも自分が女性だったら、攻は自分を好きになってくれるだろうか」という、受のセンチメンタルな語りが……。 まさかのまさか、本当に女にしちゃうお話は、BL界広しといえどそうそうない。 この一種狂気じみた受の、ねっとりねっちりとした攻への執着には、思わずぞっとするものがある。 自分の社会的地位や立場、性別に戸籍等々全てを捨ててでも、攻に振り向いて貰いたいという、悲しいまでの受の覚悟に胸が痛みました。 じゃ、どうしてそこまで? という疑問が湧くわけですけれども、この攻がもうBL攻様としてはあり得ないくらいの鈍感男なんですよ……しかも完全にヘテロ。 そして女の身体になって攻の前あらわれた受に、攻はすんなりとその身体を受け入れてしまったものだから、心はちゃんと男性である受にはなんと辛かったことだろう……と胃がきりきりしてきます。 性同一性障害というわけではないだけに、余計に受にとってつらい。 BLと思って読むとちょっときついと思うんですが、真っ向から性差に切り込んでく姿勢に感嘆します。これがデビュー作ってすごすぎ。
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なるほど、最早BLじゃないですね 一途すぎて切ないです 読み応え抜群 脇役の安藤が良いキャラしてました
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慟哭の物語でした。近年、こういった「同性愛」を真っ向から禁忌な題材として扱ってる作品少ないので、新装版ではあるけど、たいへん貴重なJUNE系。 イラストも往年のJUNEぽく、いかにもな感じでベストマッチです。表紙がすばらしい。 圭介への報われない愛に絶望した彰は、生まれ変わるこ...
慟哭の物語でした。近年、こういった「同性愛」を真っ向から禁忌な題材として扱ってる作品少ないので、新装版ではあるけど、たいへん貴重なJUNE系。 イラストも往年のJUNEぽく、いかにもな感じでベストマッチです。表紙がすばらしい。 圭介への報われない愛に絶望した彰は、生まれ変わることで愛されようと人生の全てを懸けます。そしてそれは、神の領域をも侵す罪を繰り返す発端に。 彰や安藤たちが優秀な外科医でなければ、そんな発想はなかったはず。彰は自殺して終了するしかなかったでしょうね。 ここで大切なのは彰が性同一障害とは違うところ。愛されるための手段として変身します。自己意識では男だと認めているし、圭介に男としての自分を愛してもらいたかったと思ってます。そこが愚かで哀れ。悲しい男心がひしひしと伝わってきます。 それにしてもほんとに圭介は鈍すぎです。全てに鈍。頭がよくて優しくて真面目な男はこんなもん?まあ、そこに彰は惚れたんだから仕方ないけど。 確かに常識的で仕事一筋の男なら、それが心からの厚い友情だと思うのが当然かな。男同士で愛し合うなんて無理!と決め込んでる一般的でまっとうなタイプ。 安藤のフォローがなかったら、圭介は彰への気持ちをこの先もずーっと真面目に「友情」だと決め込んでた気がします。 圭介がもうひとつダメダメなのは、優秀な医者ならHの時点で事実にちゃんと気がつけよってところ。 やっぱり、鈍過ぎる。彰の選択した悲しい方法でしか圭介は目覚めなかったかも… 圭介のことを一生懸命全身全霊をかけて愛している彰が、健気でかわいくて胸がしめつけられます。そして、彰を優しく愛して受けとめた圭介に安堵。褒めてあげたい。 話の中でいい味出してる安藤ですが、彼が手を貸してしまったさらなる罪は、エリート黒崎の狂気めいた計画です。 正直ドン引いた。生々しい描写がリアルすぎて、それが寂寞とした黒崎のエゴをいっそう浮き彫りにしてます。神をも恐れぬ尊大な考えが、実は愛情の暴走だとしたら悲しすぎます… 安藤や和巳の明るい性格にとても救われました。 Hシーンも生々しく夢やロマンからは遠い感じではあるけど、かなり煽られてしまった。濃厚です。
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つまらなくはない…し、滅多にみない物語だとは思う。 ノンケ男を好きになって、女になってでも結ばれたい!ってのはよくある話だけど、実際に手術をして完全女体になってしまうとそれはもうBLの次元を超えてるというか。 触手もグロも変態プレイもヘイキな方だとは思ってたけど、意外と内臓系に...
つまらなくはない…し、滅多にみない物語だとは思う。 ノンケ男を好きになって、女になってでも結ばれたい!ってのはよくある話だけど、実際に手術をして完全女体になってしまうとそれはもうBLの次元を超えてるというか。 触手もグロも変態プレイもヘイキな方だとは思ってたけど、意外と内臓系には弱かったのかもしれないと気づいた。というか生態系から狂わせるような物語がだめなんだと思う。それが医学の発展だと言われてしまえばそれまでだけど。
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手を出してはいけない本と認識していましたが、やはり重かった。 「人魚の声が聞こえる」では、外科医の圭介が結婚式直後に失踪して亡くなった親友の佐伯彰の影を想い苦悩の日々を送っていたとき、突然亡くなった筈の彰と瓜二つの女性が目の前に現れ、やがて結婚を考えるようになる。人魚姫の童話にな...
手を出してはいけない本と認識していましたが、やはり重かった。 「人魚の声が聞こえる」では、外科医の圭介が結婚式直後に失踪して亡くなった親友の佐伯彰の影を想い苦悩の日々を送っていたとき、突然亡くなった筈の彰と瓜二つの女性が目の前に現れ、やがて結婚を考えるようになる。人魚姫の童話になぞられてお話は進むけれど、同性同士では愛し合うのが無理だと頭から否定して、挙げ句に結婚式まで挙げておきながら自殺するという佐伯の考え方事態が理解不能でした。 女でなければ愛してもらえないと固執して、告白もせずに消えるなんて自己満足にほかならないし。 死ぬほど愛しているなら、振り向いてもらえるように男でももっと努力すべきで、安易な死を選ぶなと最初から腑に落ちませんでした。 天才外科医安藤が二人の間で暗躍しています。 次のお話、表題作「背徳のマリア」へと繋がる大事な人物ですね。 このお話、何が合わなかったかと言えば、男女でなければ愛し合えないという考え方から始まった悲劇にでしょうか。。。 姿形ではなく、愛があれば乗り越えられる前向きさが佐伯に欲しかったです。
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報われないとわかっていてもなお募る想いに押し潰され辿り着いた究極の選択に狂気すら感じたけれど、深く切なく重い恋情が痛いほど伝わってきて胸が軋むようだった。そしてその結果生まれた不安も現実の厳しさとして伝わってくる。男同士の妊娠については、受精卵を大腸に着床させ妊娠出産させることが...
報われないとわかっていてもなお募る想いに押し潰され辿り着いた究極の選択に狂気すら感じたけれど、深く切なく重い恋情が痛いほど伝わってきて胸が軋むようだった。そしてその結果生まれた不安も現実の厳しさとして伝わってくる。男同士の妊娠については、受精卵を大腸に着床させ妊娠出産させることが可能というイギリスの大学教授の見解を知ったばかりなので、妙にリアリティを感じた。生命の誕生にどこまで人の手を入れるのかという倫理的な問題を孕む領域に迷うことなく踏み込んでいく黒崎兄がとても怖い。AZさんの表紙絵、すごく好きです。
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